"薬物動態モデルによる、ヒト臓器中ダイオキシン濃度の推定−食生活と体重による変動"
丸山 若重1, 田中 孝幸1, 吉田 喜久雄2, 中西 準子2
1横浜国立大学
2産業技術総合研究所第10回環境化学討論会 (愛媛県松山 2001/5/23)
概要
ダイオキシンは哺乳類・鳥類・魚類など広範な生物種に対する睾性影響が懸念されており.わが国でのヒトの耐容1日摂取量(TDI)は4pgTEQ/kg/dayである.この量は,動物に影響がみられた体内負荷量に相当するヒトでの体内負荷量を,ダイオキシンのヒトでの体内半減期から計算した値が根拠になっている.
しかし動物とヒトでの代謝の種差や組織特異的な蓄積に対する考慮は十分なされておらず,米国環境保護庁(EPA)も最近の報告書でダイオキシン類の体内動態の把握に生理学的特性を考慮した薬物動態モデルくPBPKモデル)などの作用機作モデルを利用することを提唱し始めている。我々は既にヒトのPBPKモデルに用いる組繊一血液分配係数を求め.
その妥当性を検証した.本研究では構築したPBPKモデルを用い,食物経由で摂取されたダイオキシン類の日本人の組織中濃度を予測し,さらに体重・食生活など個人差の原因となりうる要素が組織中濃度に与える影響について検討した.キーワード
ダイオキシン類、薬物動態モデル、組織−血液分配係数