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Society of Risk Analysis 2006 Annual Meeting 参加報告

 環境暴露モデリングチーム 東野 晴行   
 

米国メリーランド州ボルチモアにおいて,2006年12月3日から6日にかけて開催された,米国リスク研究学会(Society of Risk Analysis:SRA)の2006年大会に出席し,化学物質のリスク評価に関する国際的な研究動向を調査した。私自身は,この学会に参加するのは昨年のオーランドに続いて2回目であった。
 
1日目(12/3)は,学会に関連したワークショップの日である。SETAC等でも同様だが,米国の学会では本大会の前日にこのようなワークショップが行われることが多い。今年のSRAでは,半日と一日のものをあわせて全部で12のワークショップが開催された。私は,感度分析についての講義(Sensitivity Analysis Methods Applied to Exposure or Risk Assessment Model, 講師 Dr. Amirhossein Mokhatari)を1日受講した。自分にとっては専門外なこともあり難しい内容であったが,少人数(参加者は3人,内CRMから3人)で丁寧に指導していただいた。今後のモデルの検証などに役立てたい。
 
2日目(12/4)から,学会が始まり,アクリロニトリルの有害性評価やベンゼンの曝露評価などに関するセッションに参加した。アクリロニトリルの有害性評価では,early exposure(初期の暴露)を考慮すると,発がん確率が2〜3倍大きくなる可能性が指摘されていた。ベンゼンの曝露評価では,室内の発生源として,これまで言われていたタバコの他に,隣接した車庫からの排ガスやガソリン蒸発の影響や,Liquid Wrenchという接点潤滑剤からの影響が実測データを元に指摘されていた。車庫からトレーサーガス(SF6)を使った実測調査の結果の発表もあり,興味深い内容であった。夕方にはポスター発表があり,私は,ADMER ver.2.0についての発表(Atmospheric dispersion model for exposure and risk assessment (ADMER) version 2 – development of a sub-grid module)を行った。当学会は暴露評価よりはリスク評価の考え方などのほうがメインであることもあり,出張者のポスターを尋ねて来る人数はそれほど多くはなかったが,米国を始めとして世界各国の研究者と意見を交換できた。
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3日目(12/5),4日目(12/6)と学会は続き,自動車発生源のリスク評価や大気環境へのリスク評価手法の応用などのセッションで,引き続き情報収集を行った。特に顕著に目新しい内容は無かったように思うが,EPAが行ってきたプロジェクトの概要や今後の方針などの方法を得ることができた。

 

 

 

 

 

 


化学物質リスク管理研究センター

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