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SETAC Asia/Pacific 2006参加報告

環境暴露モデリングチーム 東野 晴行

 

2006年9月18日〜21日に掛けて,中華人民共和国北京市の北京大学で開催された,SETAC Asia/Pacific2006に参加した。SETAC(Society of Environmental Toxicology and Chemistry)は環境毒性・化学の分野における世界で最も大規模な学会であり,North America,Europe,およびAsia/Pacificの3つの地域で毎年学会が開催されている。

私自身は,ここ数年は休止しているがSETAC North Americaの会員になっており,数年前まではほぼ毎年米国の大会には参加し発表を行っていた。Asia/Pacificの大会に参加するのは今回が始めてである。

今回のSETAC Asia/Pacific学会の事務局(北京大学のTao Shu教授)から,中西センター長に基調講演を引き受けて欲しいという依頼と,CRMにリスクアセスメントに関連するセッションの主催して欲しいという2つの依頼があった。CRMは,リスクアセスメントに関する研究を推進しているわが国を代表する機関として,その責務を果たす必要があるだろうと考え,生態リスク解析チームの林彬勒チーム長を中心に,東野が手伝うという形で対応することになった。

CRM内部での検討と事務局とのやりとりその他紆余曲折の結果,中西センター長が「Problems and challenges in current chemical risk assessment methodology」と題して基調講演を行い,E5「Environment exposure and human health risk assessment:Session ChairはCRMの私(東野)」とE6 「Ecological risk assessment and management:Session Chairは林彬勒チーム長」の2つセッションがCRMの企画と主催で開催されることになった。

私は,自身が座長を務めた上記セッションにおいて,「Exposure and Risk Assessment of Hazardous Air Pollutants in Japan」と題して,日本の有害大気汚染物質への取り組み,PRTRや自主管理政策について紹介し,CRMの評価結果が産業構造審議会の最終答申に大きく影響したことなどを説明した。この発表に対して,PRTRの排出量推計手法やモデルを用いた発生源寄与率の推定などの質問が会場からあった。引き続き,昨年までCRMのPDで現在は広州の中山大学に戻っているDr. Fan QiからADMERの中国広東省広州市周辺への適用事例についての発表があった。同セッションのCRMからの発表としては,もう一つ,小林憲弘研究員による鉛の詳細リスク評価の発表があり,わかりやすい発表で活発な議論が展開された。こちらの詳細は小林研究員の報告を参照していただきたい。また,引き続き行われた上記の生態リスクのセッションでも活発な議論がなされていた。こちらの詳細については,林チーム長と孟研究員の報告を参照していただきたい。


  
 


化学物質リスク管理研究センター

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