■新刊図書のご紹介

詳細リスク評価書シリーズ10:銅ピリチオン   

新エネルギー・産業技術総合開発機構
産総研 化学物質リスク管理研究センター[共編]
プロジェクトリーダー 中西準子 
堀口文男[共著]

 

銅ピリチオン画像
丸善株式会社
A4版 176頁 定価2,730円
ISBN978-4-621-07848-8

2007年3月、「詳細リスク評価書シリーズ10」として銅ピリチオン(Copper pyrithione: CuPT,以下CuPT)の詳細リスク評価書が丸善株式会社より出版されました。 

船底への生物付着を防止するためにトリブチルスズ化合物(TBT)を防汚物質としたTBT塗料に代わり、TBTを含まない非スズ(Tin Free)新規船底塗料(以下TF塗料)が利用されています。TF塗料は亜酸化銅を主防汚物質とし、防汚機能を強化する補助防汚物質を含有していますが、この補助防汚物質には亜鉛ピリチオン(ZnPT)、CuPTといった有機金属系物質やピリジントリフェニルボラン(PK®)、Sea-Nine®211、Diuron(3-(3.4-Dichloro phenyl)-1,1-dimethyl urea)およびIrgarol®1051といった非農薬系防汚物質があります。塗料会社へのヒアリング調査から、大型船舶に利用されるTF塗料の多くは亜酸化銅とZnPTまたはCuPTを組み合わせたものでした。ZnPTは塗料中に銅イオンがあれば亜鉛イオンと金属交換してCuPTに変換することから、本評価書ではTF塗料に使用されているCuPTを対象物質とし、東京湾におけるCuPTの排出と挙動を数値モデルで再現し、モデル計算より算出された溶存態CuPT濃度を用いて海洋生物に対するリスク評価を行っています。

 

*「詳細リスク評価書シリーズ10銅ピリチオン」の概要は、CRMホームページでも公開しています。(http://unit.aist.go.jp/crm/
*「銅ピリチオン」詳細リスク評価書は、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの受託研究「化学物質総合管理プログラム・化  学物質リスク評価及びリスク評価手法の開発プロジェクト」と産総研独自の研究資金で行われてきた研究の成果です。

 


化学物質リスク管理研究センター

独立行政法人 産業技術総合研究所