特集:NEDOプログラム研究成果報告会
1.参加状況とアンケート結果

宮本 健一



◆はじめに

2007年1月22日、23日、東京ビッグサイトにおいて、CRMは独立行政法人製品評価技術基盤機構、財団法人化学物質評価研究機構と共同で「化学物質のリスク評価及びリスク評価手法の開発」研究成果報告会−リスク評価の方法論と実践−を開催しました。この報告会は、「化学物質のリスク評価及びリスク評価手法の開発」というNEDO委託事業を2001年度より共同で実施してきた三者が6年間の研究成果を発表したものです。 

CRMにとっては、昨年1月に秋葉原で行った講演会に引き続き二年連続の研究成果発表会の実施となりました。昨年と異なる点は、主催機関が増えたことだけでなく、成果報告会の形式と内容にもあります。初日には比較的少人数の参加者(100〜130名程度)を対象に、室内暴露などの狭い範囲のトピックを集中的に掘り下げ、聴衆とのディスカッションを積極的に行うことを意図したワークショップ形式の発表10件を行いました。二日目には、より多くの参加者を対象としてNEDO委託事業の成果の全体像を概観できるような講演会形式の発表を9件行いました。さらに、両日を通してポスターセッションも実施し、82件の研究成果を発表しました。

 


◆CRMのワークショップと講演

CRMが担当したワークショップは以下の6件です。 

a.室内暴露 
b.金属の詳細リスク評価で考慮すべき事項 
c.詳細リスク評価における有害性評価 
d.個体群レベルの生態リスク評価 
e.発生源・排出量の推定と検証 
f.大気環境の暴露評価におけるモデルの活用

二日目の講演会では、CRMから次の4件の発表がありました。 

A.1プロの6年間〜“絶対逃げない”の覚悟で臨んだリスク評価〜(中西準子センター長) 
B.詳細リスク評価におけるモデリング技法の役割  (吉田喜久雄副センター長) 
C.データ、人そして社会を繋ぐ詳細リスク評価書  (東海明宏チームリーダー) 
D.化学物質のリスクとベネフィットの評価はどこに向かうべきか?(岸本充生研究員)

 

◆参加状況と参加者アンケートの結果

参加者数は、初日が430人、二日目が441人で、二日間の延べ人数が871人、純人数が637人でした(昨年1月のCRM講演会の参加者数は446人)。637人の所属の内訳は、一般企業が最も多く(55%)、次いで公的研究機関(12%)、地方自治体(7%)、大学教員(5%)、中央官庁(4%)、学生(3%)の順でした。なお、その他(14%)として、業界団体(社団法人など)、財団法人、出版社・マスコミなどからの参加がありました。 

アンケートは、初日は各々のワークショップ毎に、二日目は講演会全体として実施しました。初日は各34〜53名(回収率26〜42%)、二日目は143名(回収率32%)から回答が得られました(昨年1月のCRM講演会での回収率は28%)。アンケート回答者の所属の内訳は、参加者全体の比率をほぼ反映する形で、様々な所属の方から回答が得られました。 

ワークショップと講演会の内容が参考になった度合いを、5段階(1 ほとんど参考にならなかった、2 あまり参考にならなかった、3 どちらとも言えない、4 ある程度参考になった、5 とても参考になった)で質問しました。参考になった(つまり上記の4か5を選択した)と回答した人は、各ワークショップについては、a. 84%、b. 90%、c. 75%、d. 90%、e. 89%、f. 93%、講演会全体については91%といずれも非常に高い割合でした。 

自由回答形式で求めた意見・感想・要望として、「ポスターでは発表の方が一生懸命説明して下さり、とても好感がもてました」、「今後は、リスク評価手法に関する具体的な手法についてのセミナーなども開催して欲しい」、など肯定的な内容が多数寄せられました。 

多数の方の研究成果報告会へのご参加ならびにアンケートへの協力、有難うございました。CRMは、これからも研究成果を社会に還元する努力を続けていこうと考えています。

 

ワークショップの写真

1月22日開催のワークショップの模様

 


*研究成果報告会の発表スライド、要旨集、さらに詳細なアンケート結果はCRMホームページで公開しています。 
http://unit.aist.go.jp/crm/kouen_070122.htm

 


化学物質リスク管理研究センター

独立行政法人 産業技術総合研究所