− 新研究員紹介 −

 

著者近影 リスク管理戦略研究チーム研究員 小林 憲弘

 

10月1日から、リスク管理戦略研究チームの一員として、NEDOプロジェクト「ナノ粒子特性評価手法の研究開発」に参画することになりました。 

2004年に横浜国立大学において博士課程修了後、2006年9月までの2年半は、特別研究員としてリスク解析研究チームで勤務していました。リスク解析研究チームでは、主として鉛の詳細リスク評価書の策定に従事し、その中でヒト健康リスク評価全体の解析および執筆を担当しました。鉛の詳細リスク評価書は2006年9月に出版され、英語版もまもなく公表される予定となっています。 

今回のNEDOプロジェクトでは、主としてカーボンナノチューブ(CNT)の詳細リスク評価書の策定を担当する予定となっていますが、CNTを含むナノ粒子のリスク評価は、これまでのリスク評価とは大きく異なり、ヒトへの暴露についても、有害性についても大きな不確実性が存在するため、精度の高いリスク評価は困難であると考えられます。しかし一方で、リスク評価に必要なデータを取得するために、既存のデータを収集するだけでなく、独自に有害性試験や、実際の作業環境におけるモニタリングを行うことも計画しており、非常にやりがいを感じています。社会に受け入れられ、実際の政策に反映されるような評価書の完成を目指して、日々努力していきたいと思います。


 


化学物質リスク管理研究センター

独立行政法人 産業技術総合研究所