2.沿岸生態リスク評価モデルの開発(瀬戸内海モデル)

水圏環境評価チーム 堀口 文男


CRMでは、モデルや海洋の専門家以外の方々でも簡単にリスク評価が行える海域の生態リスク評価モデルの開発を行ってきた。2003年に東京湾モデル(AIST-RAMTB)、2005年に伊勢湾モデル(AIST-RAMIB)を一般公開し、無償配布を開始した。モデルは、3次元流動モデル、生態系モデルの計算結果を季節毎にデータベース化し、操作画面をVisual C++を用いGUIを採用することで、誰にでも簡単な操作で、化学物質の濃度解析および生物に対するリスク評価が行えるようにした。今回は、瀬戸内海を対象にしてモデル開発を行った。化学物質の負荷源は、河川、海域(船舶航路・港湾および任意の点源)、大気からの流入を考慮することができる。解析結果は、水平・鉛直分布図と任意地点の時系列グラフにより確認することができる。さらに、計算結果を数値データ、画像データとして保存することができ、様々なアプリケーションで加工し使用することが可能となった。 

NEDOプロジェクトの目標であった東京湾、伊勢湾、瀬戸内海における沿岸生態リスク評価モデルを全て完成することができた。瀬戸内海モデルについては2006年12月1日に公開、無償配布が開始されている。これらのモデルが行政、研究、教育等に活用されることを願っている。


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図1.瀬戸内海モデルの主要機能概略図


*瀬戸内海モデル(AIST-RAMSIS)は、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの受託研究「化学物質総合管理プログラム・ 化学物質リスク評価及びリスク評価手法の開発プロジェクト」の研究資金で行われてきた研究の成果です。

*入手方法は、インターネットサイトをご覧下さい(http://www.riskcenter.jp/RAMTB/ )。

   


化学物質リスク管理研究センター

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