伊勢湾リスク評価モデル
水圏環境評価チーム  堀口 文男

CRMでは、3月31日、伊勢湾リスク評価モデルVer.1.0を公開した。このモデルは、2003年12月に公開された東京湾簡易リスク評価モデルに続き、伊勢湾を対象として、化学物質の海水中濃度および底泥中濃度を算定し、生物へのリスク評価を行うモデルである。 

◆伊勢湾リスク評価モデルの概要 

伊勢湾リスク評価モデルVer.1.0では、伊勢湾における化学物質の濃度解析と生物に対するリスク評価をパソコンで簡易に解析することができる。 あらかじめ伊勢湾の流動分布,懸濁態有機物の分布を季節毎にデータベース化し、簡単な操作で化学物質の濃度解析および生物へのリスク評価ができるようになっており、化学物質の負荷源として、河川、海域(船舶航路・港湾および任意の点源)、大気からの流入負荷量を入力することが可能である。 解析結果は水平・鉛直分布図と任意地点の時系列グラフで表示することができる。さらに、計算結果の数値データはCSV形式で保存することができる。

◆伊勢湾リスク評価モデルの配布 

現在CRMでは、伊勢湾リスク評価モデルのCD−ROMによる配布を行っている。詳細は、CRMインターネットホームページを参照されたい。 本モデルを用いることにより、リスク評価に携わる研究者や評価者だけでなく、国や自治体などの行政担当者や企業、教育関係者においても海洋における化学物質のリスクについて関心を持って頂ければと期待している。

*伊勢湾リスク評価モデルの開発は、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの受託研究「リスク評価、リスク評価手法の開発および管理対策のリスク削減効果」の一環として行われたものである。


化学物質リスク管理研究センター

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