第1回 CRM/AIST&AED/USEPAワークショップ

2004年6月28、29日の2日間にわたり、CRMの主催による米国環境保護庁アトランティック・エコロジー部門(AED/USEPA )との第1回ワークショップが、つくばの独立行政法人産業技術総合研究所で開催されました。AED/USEPAからはDr. Wayne R. Munns, Jr.*が参加、CRM研究員との間に化学物質のリスク評価およびリスク管理に関する最新の話題をめぐり、活発な意見交換が行われました。

このワークショップは、SETAC(Society of Environmental Toxicology and Chemistry)学会等の場で行われてきた双方の研究情報の交換を契機として、今後さらに研究交流を活発に展開していこうという趣旨のもとに開催されました。

ワークショップ初日には、Dr. MunnsからAED/USEPAにおける研究活動の現状と今後の方向性に関する話題、また、CRMからは現在進行中のNEDOプロジェクトの概要および最近完成したノニルフェノールの詳細リスク評価書に関連する話題が提供され、生態リスク評価における個体群レベル評価を実施する必要性、また、生態リスクとヒト健康リスクの統合評価の必要性に関し、意見交換が行われました。

2日目には、Dr. MunnsとCRMの各チームとのミーティングがもたれ、双方の研究蓄積・今後の方向性について実質的な情報が交換され、具体的な研究交流の可能性について検討が行われました。

ワークショップ・プログラム

The First CRM/AIST & AED/USEPA Workshop on Risk Assessment and Risk Management for Chemicals
June 28 to July 29, 2004, Tsukuba, Japan

Plenary session #1 (Chair person: Akihiro Tokai)

(1) Overview of NEDO Project ongoing in CRM/AIST, Dr. Junko Nakanishi, Director of CRM/AIST 

(2) Overview of the mission and work of the U.S. Environmental Protection Agency in respect to risk assessment and management for chemicals, Dr. Wayne R. Munns, Jr., Associate Director for Science of AED/USEPA 

Plenary session #2 Chair person: Bin-Le Lin)


(1) A description of our planning for research to integrate environmental economics and ecological risk assessment to support environmental decision-making, Dr. Wayne R. Munns, Jr., Associate Director for Science of AED/USEPA 

(2) Risk assessment of nonylphenols, Dr. Akihiro Tokai, CRM/AIST 

(3) A description of our recent research concerning population-level risk assessment, Dr. Wayne R. Munns, Jr., Associate Director for Science of AED/USEPA

(4) A description of our perspectives & research experiences in population-level risk assessment, Dr. Bin-Le Lin, CRM/AIST 

*Dr. Wayne R. Munns, Jr.

Dr. Munnsは、化学物質の合理的な管理のための生態リスク評価手法の開発と適用に関する研究に従事されています。また、これまでSETAC学会における生態リスク評価領域を開拓し、牽引してきています。

現在、米国環境保護庁、健康生態影響評価部門、アトランティック・エコロジー部門(Atlantic Ecology Division, National Health and Environmental Effects Research Laboratory Office of Research and Development, US Environmental Protection Agency)のアソシエート・サイエンス・ディレクター(Associate Director for Science)です。

ワークショップ終了後、Dr. Munnsとのインタビューで、AEDでの研究活動の詳細についてお話を伺いました。