光コムの基礎

光コムとはどんな光なのか?

光コムは時間軸上では超短光パルス列であり、周波数軸上で観察すると、図1に示すような等しい周波数間隔で並んだモード(コムモード)群となっています。そして、これら周波数軸上のコムモード一本一本を分解してみると、パワーは低いながら連続発振レーザーです。


図1: 光コムのスペクトル(概念図)

光コムの最も重要な性質の1つは、周波数軸上におけるモード間隔が波長に依らず一定なことです。そのため、図1に示すように、ゼロから数えて\(n\)番目のコムモードの周波数\(\nu (n)\)は次式のように表されます。 \[ \nu (n) = f_\mathrm{CEO} + n\times f_\mathrm{rep} \tag{1}\label{eq:1} \] ここで\(n\)は整数です。\(f_\mathrm{rep}\)は繰り返し周波数と呼ばれ、時間軸上で超短光パルスが繰り返す頻度です。\(f_\mathrm{CEO}\)はキャリアエンベロープオフセット周波数と呼ばれ、コムモードを\(f_\mathrm{rep}\)間隔で仮想的にゼロまで延伸した時の「あまり」の周波数です。\(f_\mathrm{rep}\)と\(f_\mathrm{CEO}\)は数10 MHz~数100 MHzのRFであり、これらを観測または制御することで、数100 THzの光周波数である\(\nu (n)\)を一意に決めることができます。

(注: 1 MHz = 1 000 000 Hz、1 THz = 1 000 000 000 000 Hz)

光コムはどうやって発生させるのか -代表的な光コム光源-

光周波数コム発生器

最初に光コムと呼ばれたものは、電気光学変調器を光共振器中に挿入した「光周波数コム発生器」と呼ばれる装置で、1970年代前半に原型が提案され、1990年代前半に完成されました(図2)。連続発振レーザーを光源として、光共振器中の電気光学変調器によって連鎖的に側帯波を発生させています。発生した光コムのスペクトル範囲は波長1550 nm帯で80 nm(周波数193 THz帯で10 THz)に達し、数THz離れたレーザーの差周波数測定に使われました。


図2: 光周波数コム発生器

モード同期レーザ―と自己参照法

光周波数コム発生器はレーザーの周波数差を高精度に測ることはできましたが、レーザー周波数の絶対値を直接測ることはできませんでした。光コム単独で光周波数の絶対値を測定するためには、光コムのスペクトルの拡がりが1オクターブ程度必要です。これは、\eqref{eq:1}式で示した\(f_\mathrm{CEO}\)信号を検出するためであり、\(f_\mathrm{CEO}\)信号を検出するための方法は「自己参照法」と呼ばれています(図3)。\(f_\mathrm{CEO}\)信号を検出し、測定または安定化することで\eqref{eq:1}式が完成し、光コムがRF~光周波数を自由に繋ぐことができるようになります。


図3: 自己参照法

光コムを実現するのに十分な性能を持つモード同期レーザーが登場したのは、1990年代初めです。1980年代後半に幅広い波長のレーザーを発振・増幅させることのできるレーザー媒質であるチタンサファイアTitanium sapphire)が開発されたのをきっかけに、1990年代初めにそれがモード同期レーザーに利用されました。しかし、モード同期チタンサファイアレーザーは、広いスペクトルを持ってはいましたが、1オクターブに届くようなものではありませんでした。このままでは、光周波数コム発生器同様、単独で光周波数の絶対測定はできません。1オクターブを超える光コムを発生させるためにもう一つ必要だったのは、可視レーザーの入力に対して高い光学的非線形性を持つ「フォトニック結晶ファイバー」でした。このファイバーにより、波長800 nm帯のモード同期チタンサファイアレーザーの光は、500-1000 nmを超える1オクターブ以上に拡げられ、絶対周波数測定が可能になりました。

その後、実用性の高さから、利得媒体にエルビウムイオン、イッテルビウムイオンを添加した光ファイバーを用いたモード同期ファイバーレーザーが光コム発生の主流となっています。モード同期ファイバーレーザーのスペクトル広帯域化には、近赤外光の入力に対して高い光学的非線形性を持つ高非線形ファイバーが使われています。

その他の光コム

他にも、連続発振レーザーに位相変調と強度変調を与えて光コムを発生させる方法、連続発振レーザーと微小光共振器を用いて光コムを発生させる方法などが提案、実証されつつあります。

レーザー周波数の絶対値測定

\eqref{eq:1}式を元に、周波数\(\nu_0\)のCWレーザーと光コムの\(n\)番目のモードとのビート周波数が\(f_\mathrm{beat}\)であるとき、 \[ \nu_0 = f_\mathrm{CEO} + n \times f_\mathrm{rep} + f_\mathrm{beat} \tag{2} \label{eq:2} \] の関係が成り立ちます。\(f_\mathrm{CEO}\)および\(f_\mathrm{rep}\)を周波数標準であるUTC(NMIJ)に位相同期し、\(f_\mathrm{beat}\)を計測することにより、\(\nu_0\)を求める(絶対周波数を計測する)ことができます。

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国家標準「光周波数コム装置」

長さの国家標準(特定標準器)

メートル法では、「計量トレーサビリティ:認められた能力を持つものによる、適切な周期の、認められた測定不確かさでの、切れ目のない校正の連鎖を通じて、国際単位系(SI)に関連付けられた測定結果(文書)」が求められています。我々のグループでは、光コムを「長さ:メートル」に関する特定標準器(日本の国家標準)として運用しており、jcss制度に基づく校正業務を行っています。日本の国家標準はSIに関連付けられています。サービスの概要はNMIJウェブサイトまたは校正/測定サービスのページをご覧ください。

光コムは、波長633 nmよう素安定化ヘリウムネオンレーザー(I2/HeNe)などの連続波と異なり超短光パルス列であり、長さの標準として違和感があるかもしれません。実際、光コムを既存の長さ測定用光干渉計にそのまま適用することはできません。しかし、特定標準器の役割はここに示されているようにレーザー周波数の校正であり、干渉計に直接使えなくても問題はないのです。

特定標準器を光コムにすることには以下のようなメリットがあります。

1. 周波数の不確かさが小さい

光コムの測定不確かさは、多くの場合、ほぼ基準周波数のそれで決まります。光コム自体が持つ光とマイクロ波周波数の比較能力は、平均時間1000秒において10-14~10-17であり、産総研の時間標準UTC(NMIJ)の不確かさ(平均時間1000秒において6.7×10-14)よりも十分に高いです。すなわち、UTC(NMIJ)の精度での光周波数計測が可能です。不確かさが小さいだけでなく、アライメントなどによって値が狂うことがないため、長期間にわたり高い精度を維持することが容易です。

2. 広い波長帯の光周波数を1つの光コムで測定できる

波長633 nmのI2/HeNeが波長633 nmのレーザーのみを校正対象としているのに対し、光コムであれば広帯域の校正が可能です。我々が用いているエルビウム添加光ファイバーによる光コムは、波長500-2000 nmにおいて光コムを発生させることができ、このすべての波長範囲においてUTC(NMIJ)の不確かさで波長校正(周波数計測)できます。近年は長さの標準としてだけでなく、大容量光通信などのため、波長1.55 μm帯のレーザー周波数校正も求められるようになっています。特定標準器が光コムであれば、多くの波長におけるトレーサビリティを、一つの特定標準器で確保できます。

3. 国際的な承認を得るための運用が容易

光コムは周波数変換・比較装置であり、その基準であるUTC(NMIJ)の値が国際的に承認されることが基本です。UTC(NMIJ)はGPS衛星を介して常時国際的に比較されており、平均時間1000秒において6.7×10-14の不確かさが認められています。もちろん光コムの周波数変換・比較能力の評価も必要ですが、これは研究室でできる作業であり、国外へ持ち出して国際比較を行う必要はありません。我々の場合、光格子時計の周波数測定を現在のところ1.2×10-15の不確かさで行っていることが能力の根拠になっています。結果として、かつてのよう素安定化ヘリウムネオンレーザーのように海外機関との輸送を伴う国際比較の必要がなくなりました。

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メートルの定義の変遷

長さの単位メートルは、国際単位系(SI)において7つある基本単位のうちの1つです。計量標準に関する国際条約がメートル条約と呼ばれることからもわかるように、メートルは基本単位の中でも長い歴史を持ち、特に重要な役割を担ってきました。現代においても、自動車や半導体をはじめとする多くの産業において必要であることはもちろん、科学・文化などにも深く浸透しています。ここでは、SIにおけるメートルの定義と実現について、2019年5月に実施されたSIの定義改定にも触れながら解説します。また、長さ計測に関する最近のトピックについて解説します。

SIによるメートル法は、単位の同等性、恒常性を保証し、いつでもどこでも誰でも同じように単位(例えばメートル)を使えるようにすることを理念の一つとしています。その拠り所としては「不滅の自然物」がふさわしく、できるだけ高精度であることも理念の一つです。そして、実際にその量を実現し(現実のものとし)、計測に役立てていくための実用性を重視しています。

長さの定義は、時代の流れに伴って高精度なものへと変遷してきました。古くは人体、物、感覚により定義されていましたが、これらは時間的空間的に局在的なものでした。いつでもどこでも使える長さの定義が現れたのは、1875年にメートル条約が17カ国間で締結されたのが始まりです。

メートル法が運用されはじめる時、メートルは子午線長の測量結果に基づき製作された「メートル原器」を用いて定義されました。これは白金90%とイリジウム10%の合金であり、0 ℃において間隔1 mとなる2本の目盛り線が引かれたものでした。子午線長の測量はメートル条約締結から遡ること約100年、フランス科学アカデミーにより行われています。当時測定された赤道から北極に至る子午線長を10000 kmとして、その1000万分の1を1 mと定義しましたが、現在、子午線長は10001.966 kmとなっています。この差は当時の測量技術の限界による誤差です。

日本がメートル条約に加入したのは1885年(明治18年)です。これにより日本でもメートル法が適用されるようになり、度量衡法を1891年(明治24年)に制定、1903年(明治36年)に中央度量衡器検定所が設置されました。これはその後計量研究所となり、現在の産業技術総合研究所 計量標準総合センターの一部となっています。1890年には「日本国メートル原器」(No. 22)が国際度量衡局(BIPM)から日本に到着、使用されてきました。

メートル原器は、精度が10-7程度と低いことも問題でしたが、そのことよりもむしろ、壊れたり経年変化したりするリスクのある「原器」であることが問題であり、メートル法の理念(不滅の自然物に依る標準)に沿ったものでないことが当時から意識されていました。

「光の波長」は早くから長さの標準候補として注目されていました。電磁気学を確立したマクスウェルは、1873年には高精度な光源の波長をメートルの単位とすべきと著書の中で既に主張しています。エーテルの測定実験で有名なマイケルソンは、1892年にはメートル原器を基準に光の波長を実験的に測定し、その標準としての可能性を指摘しています。

1960年、長さの基準は不滅の自然物であるクリプトン86原子を使うよう変更され、「クリプトン86原子の準位2p10と5d5の間の遷移に対応する光の真空中における波長の1 650 763.73倍に等しい長さ」と定義されました。

クリプトン86原子の放射光(波長606 nm)が定義として選ばれたのは、この遷移に基づく放射光が多くのランプのスペクトル線の中で最も狭いスペクトル線幅を持つためです。動作条件であった窒素の三重点(約-210 ℃)における線幅は約400 MHzであり、これが標準としての精度を10-7~10-8に制約していました。

定義が改定された1960年に、ルビーレーザーとヘリウムネオン(HeNe)レーザーの発振が相次いで報告されたことは興味深い因縁です。レーザーのスペクトル線幅は狭く、長さの定義とすれば10-10~10-11の精度が期待できます。特に連続発振し、スペクトル線幅が100 kHz程度のHeNeレーザーなどの気体レーザーは標準候補として注目されました。

そして、波長(または周波数)安定化レーザー(以下単に安定化レーザーと呼ぶ)および光周波数計測法の出現が、長さの定義改定に決定的な影響を与えました。ここでは、波の速さの公式 \[ c = \nu \times \lambda \tag{3} \label{eq:3} \] を考えると分かりやすいです。\(c\)は光の速さ、\(\nu\)は光の周波数、そして\(\lambda\)は光の波長です。\eqref{eq:3}式から、波長(周波数)が安定化されたレーザーの波長及び周波数を測定すれば、光の速さが求められます。これは「光速(度)測定」などと呼ばれ、1960~70年代には、レーザーの波長をクリプトン86原子の放射光波長に基づいて測定するとともに光の周波数を「時間標準」に基づいて測り、光の速さを求める研究が多く行われています。この頃から、長さと時間は密接に関係するようになります。

周波数は時間の逆数であり、時間の単位「秒」はメートル同様SIの基本単位です。秒の定義は、1967年にそれまでの地球の公転による定義から、不滅の自然物であるセシウム133原子を用いた定義「秒は、セシウム133の原子の基底状態の二つの超微細構造準位の間の遷移に対応する放射の周期の9 192 631 770倍の継続時間である。」に改定されています。装置としての時間標準は、一次周波数標準器と呼ばれ、様々な擾乱が管理され、擾乱ゼロ環境におけるセシウム133原子の共鳴周波数を推測できる装置により実現されています。最新の一次周波数標準器は、原子泉型(ファウンテン)と呼ばれる装置で、その不確かさは10-16台に達する一方、定常的に運用することは難しく、世界に10台程度しかありません。時間標準には定常的連続的な運用が必要であることから、実用的な周波数標準は、世界中のたくさんの原子時計を用い、一次周波数標準器により校正される時系である「協定世界時(UTC)」として運用され、各国の標準研でもこれに同期した時系(例えば産総研ではUTC(NMIJ))が時間標準として利用されています。

長さに話を戻すと、1970年頃にはメタンの飽和吸収スペクトルを基準とした安定化レーザーが10-13に達する周波数安定度を持つようになり、1973年にはその絶対周波数を「周波数チェーン」という技術を用いて10-10程度の精度で測定できるようになってきました。1973年のメートルの定義に関する諮問委員会(CCDM)は、これらの測定値などから光の速さの暫定値を\(c\) = 299 792 458 m/sとすることを決めました。その後もメタン、よう素分子に安定化されたレーザーの波長と周波数が国際的に比較されたり測られたりするようになり、整合性が得られるようになりました。

複数の波長で整合性が得られる状況になると、レーザーの波長で長さを定義するよりは、\(c\)を定数として定義し、例えば\eqref{eq:3}式中のレーザーの周波数\(\nu\)から\(\lambda\)を算出して長さの基準とするのが良いと考えられるようになってきました。その理由は主に以下の3つです。(1) 各国から報告された\(c\)はクリプトン86の精度に制限されており、\(c\)自体の精度はそれより高いと思われたこと。(2) クリプトンランプを使った標準器を廃止でき、時間標準から長さも実現するようにできること。(3) 安定化レーザーは定義とするのにふさわしくない面が多かったこと。例えば、様々な使用条件があり、時間標準のように擾乱ゼロの環境下にある分子の吸収線波長/周波数を推測することは困難でした。また、安定化レーザーの進歩はめざましく、どの吸収線とレーザーの組み合わせを定義とすべきかを決めることも難しかったのです。

一方で、\(c\)を定数とするには懸念もありました。経年変化がないのか、地球あるいは天球に対する光の進行方向によって差がないのか、そして電磁波の波長によって差がないのかなど、実際にどのくらいの不確かさがあるのか、その時点では確認できず、定義改定のためには特殊相対論の光速度不変の原理を信じる必要がありました。

様々な議論を経て、1983年の第17回国際度量衡総会において、「メートルは、1秒の299 792 458分の1の時間に光が真空中を伝わる行程の長さとする。」との定義に改定されました。メートルの定義を素直に読めば、長さを\(l\)、光の飛行時間を\(t\)としたとき、\(l = ct\)により距離を実現するような定義に見えるが、実際には「光の速さを299 792 458 m/sと定義する。」という意味であり、実現方法は他にもあります。

このような定義改定の過程は、2019年のキログラムおよびケルビンの定義改定においても同様に採られています。つまり、複数の基本単位を結ぶ基礎物理定数を基本単位の定義に基づいて精密測定した後、逆にその定数を定義(固定値)として基本単位とするように変更するのです。

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光コムによるガスの濃度/温度測定

デュアルコム分光計の開発

原子や分子は、特定の波長(周波数)の光を吸収する性質を持っています。 この性質を利用して、原子や分子の分析を行う手法を「分光測定」と呼びます。 様々な分子から構成されるガスの中を光コムが通過すると、 分子の種類によって光コムの特定の成分が吸収され弱くなります。 光コムのどの成分が弱くなったのかを調べることで、ガス中にどの分子がどれだけ含まれているかを知ることができます。 分光測定に光コムを使うことで、高い分解能、広いスペクトル帯域、短い測定時間、 周波数標準に基づく波長(周波数)精度を同時に実現でき、ガス分析の性能を飛躍的に向上できます。

広帯域デュアルコム分光とガス分析への応用

光コムの各成分の間隔は数10 MHzと狭く、通常の検出器や分光器では1つ1つの成分を分離して検出できません。 そこで、光コムを2台使った『デュアルコム分光法』を用います。 2台のコムを干渉させることで、光周波数のコムをマイクロ波周波数のコムとして検出し、 コンピューター上でフーリエ変換して光コムのスペクトルを取得します。

しかし、デュアルコム分光法では広い帯域を同時に観測するためには光コムの周波数ノイズが小さくなければならず、 このことが同時に測定できるスペクトル帯域を制限していました。 そこで我々は、高速に制御できる光コムを基準レーザーに安定化することで、 線幅1 Hz以下の超狭線幅光コムを用いたデュアルコム分光装置を開発しました。 この装置を用いた分光測定の結果、波長1.0-1.9 μmの範囲で帯域140 THz、分解能48 MHzのスペクトルを取得し、 アセチレン、メタン、水の複数の吸収線を一度に観測することに成功しました。

デュアルコム分光の高分解能化

デュアルコム分光の分解能は、光コムのモード間隔である繰り返し周波数で決まっていると言われていますが、データ取得方法を工夫するとその限界を越えた分解能でスペクトルを取得できます。この手法を用いることで、サブドップラー分解能の高分解能分光やファブリペローエタロンといった光学素子の精密評価など、これまでのデュアルコム分光では分解能が足りなかった測定も行えるようになります。

デュアルコム分光によるガス温度測定

回転準位分布温度測定法(Rotational-state Distribution Thermometry: RDT)

デュアルコム分光で得られた吸収スペクトルから気体の温度を測定する新たな技術を開発し、±1 ℃以内の測定精度を実現しました。分子の吸収線群は振動回転スペクトルと呼ばれ、分子の振動回転エネルギー準位間の遷移により現れます。各吸収線の強さは遷移の下準位にある分子数にほぼ比例し、その分子数はボルツマン分布にしたがっています。すなわち、この吸収線群の全体の形に温度の情報が含まれているのです。右のグラフは回転準位ごとの吸収強度、すなわち分布数を示しています。これをボルツマン分布に従うモデル式にあてはめることで、ガスの温度を知ることができます。RDTは多数の燃焼中のガスの分子種ごとの温度変化の観測など、既存技術では困難な温度計測への応用が期待できます。

デュアルコムによる分子分光研究

分子間衝突の核スピン依存性の発見

分子同士の衝突効果の解明は、分子科学における基本的かつ重要な課題の一つです。分子を構成する原子の核スピンは、分子同士の衝突過程には影響を与えないと考えられてきました。高性能なデュアル・コム分光計を用いてアセチレン分子(C2H2)の多くの吸収スペクトル線を様々な圧力下で精密に調べた結果、2つの水素(H)原子核の核スピンが互いに平行か、反平行かによってスペクトルの線幅が違うことを世界に先駆けて発見しました。この成果は、分子衝突の基礎理論から、地球や天体の環境を大気のスペクトルから推定するモデルにまで影響を与えます。

分子の遷移双極子モーメントの精密測定

アセチレン分子の遷移双極子モーメントを高精度に決定しました。右図は、決定した値を使って計算した吸収強度が測定結果とよく一致することを示しています。この結果は、デュアルコム分光法が縦軸(吸光度)の精度についても高いことを示しており、環境ガス分析における高精度なガス濃度測定が期待できます。

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極限的周波数安定度の追求

超高安定環境下におけるファイバーノイズの評価

光ファイバーを使って光周波数を伝送したりファイバーコムを用いて周波数制御を行ったりする際、環境擾乱によって付加されるファイバーノイズが周波数比較や制御の精度が制限されてしまいます。そこで、光ファイバーを超安定環境に設置して環境擾乱に起因する位相雑音を大幅に低減しました。まず、小さなファイバーノイズを評価するために、光路長変動を低減したマッハツェンダーヘテロダイン干渉計を開発しました。これを用いて長さ10 mの光ファイバーを評価したところ、フーリエ周波数10 mHzおよび10 Hzにおいて、位相雑音のパワースペクトル密度をそれぞれ約70dBおよび30dB低減することに成功しました。位相雑音から計算したアラン偏差は、1秒平均で7 × 10-20、10000秒平均で2 × 10-21に達しました。 また、超安定環境から避難、防振、遮音、気質安定化などの環境安定化対策を選択的に除去することで、各安定化対策でファイバーノイズが低減される周波数帯を明らかにしました。

光コムのブランチ間ファイバーノイズのキャンセル

マルチブランチ構成の光コムでは、ブランチからのコム出力が異なるファイバーノイズに悩まされることが多く、これが光コムの周波数比較精度を制限することになります。これ克服するために、マルチブランチ光ファイバーコムにファイバーノイズ差分キャンセル機構を導入しました。各ブランチの出力と共通のCWレーザーとの間のビート信号を検出し、それぞれの位相が基準ブランチの位相と一致するように各ブランチに設置したファイバーストレッチャーを制御することで、ブランチ間のファイバーノイズの差分をキャンセルしました。同じ構成の光コムを2台製作して比較することで相対的な周波数不確かさを確認したところ、ノイズキャンセルによって周波数比較の不確かさは105秒の平均時間で10-20レベルまでに低減されました。

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その他の研究

レーザー周波数制御の高度化

オフセット周波数がfrep/2やゼロの光コム

光コムの周波数パラメータのうち、オフセット周波数(\(f_\mathrm{CEO}\))を繰り返し周波数の1/2にロックしたりゼロにしたりする制御手法を開発しました。\(f_\mathrm{CEO}\)を繰り返し周波数の1/2にロックした場合は、\(N\)番目のモード周波数が繰り返し周波数の半整数倍で記述できるHalf-integer combが実現します。\(f_\mathrm{CEO}\)をゼロにした場合には、Offset-free combが実現します。これらのコムはオフセット周波数の測定や符号決定の煩わしさから解放され、光コムシステムの信頼度が向上します。さらに、Offset-free combの場合は、高次高調波発生によって超広帯域光コムを実現できるようになります。

コムモード周波数がすべて光学的に制御・安定化された光コム

光コムのレーザー共振器中に、モード同期レーザーの利得媒質であるエルビウム添加光ファイバーに加えてイッテルビウム添加光ファイバーを挿入し、 それら二種の希土類添加光ファイバーへの励起強度を可変することで光コムの繰り返し周波数とオフセット周波数を独立に安定化すること、 および波長安定化レーザーの周波数を測ることに初めて成功しました。 この方式はこれまで共振器長制御素子として使われてきた電歪素子や電気光学変調器と比べ、価格、モード同期の始動性に優れ、堅牢性においても有利だと考えられます。また、制御の高速性においても必要十分な帯域が取れる可能性があり、システムとしてのバランスに優れています。 また、出力スペクトルに凹凸が生じにくく、分光感度向上のために重要な技術です。

光コム発生の高度化

紫外から中赤外にわたる広帯域光コムの発生

ガスを構成する分子は、中赤外(波長3-5 μm)に豊富な吸収線を持っています。そのため、この波長域でデュアルコム分光を行うことで測定可能なガス種が増え、感度の向上も期待できます。また、可視領域には波長標準に用いられるヨウ素分子の豊富な吸収線があります。しかし、通常のErファイバーコムのスペクトル帯域は広帯域化した後でおおよそ1.0-2.4 μmです。我々は、導波路型PPLN結晶を用いた簡単な方法を用いて0.35-4.4 μm(3.6オクターブ)の紫外から中赤外にわたる超広帯域光コムを発生させることに成功しました。実用性の高いErファイバーコムから可視、中赤外の光コムが得られたことで、光コムの応用範囲が格段に広がります。

光コムの周波数不動点の変化

受動モード同期ファイバーレーザーによって生成された光コムの周波数不動点の変化について研究しました。光コムの\(n\)番目のモード周波数は、繰り返し周波数\(f_\mathrm{rep}\)とキャリアエンベロープオフセット周波数\(f_\mathrm{CEO}\)を用いて\(\nu (n) = f_\mathrm{CEO}+n\times f_\mathrm{rep}\)で表されます。モード同期レーザーの励起パワーを変えると\(f_\mathrm{rep}\)と\(f_\mathrm{CEO}\)が同時に変化しますが、このとき、周波数が変化しない光コムモード「不動点」が存在することがあります。不動点がどの周波数帯にあるかということは、\(f_\mathrm{rep}\)と\(f_\mathrm{CEO}\)を独立に制御する際に重要となります。

本研究では、キャビティ内の偏光状態がわずかに異なる場合の\(f_\mathrm{rep}\)と\(f_\mathrm{CEO}\)の励起パワーによる変化を測定し、不動点の変化を調べました。2つの周波数の励起パワーに対する応答は、それぞれ偏光状態によって変化し、励起パワーに応答しない特定の偏光状態もあることが分かりました。また、励起パワーによる不動点は、約1 PHzの範囲で大きく変化することが分かりました。この結果は、ロバストで低ノイズな周波数コムの実現の可能性を示しています。

周波数比較技術の高度化

光周波数コムによる光領域における比較

当研究グループの有する光コムは光領域において10-16(短期)、10-20(長期)の精度で光周波数の比較を行うことが可能です。 この精度は光コムの構成要素である干渉計の部分で制限されるため、低雑音の光干渉計を開発することで光コムの高精度化が可能であると考えられます。 我々は安定な環境を生成することで、短期安定度10-18レベルの光コムを実現させることを目指した研究を行っています。

光キャリア伝送による遠隔地間における比較

光領域における遠隔地間の精度の比較を行う方法として光キャリア伝送技術の開発を行っています。 光ファイバは波長1.55 μmのキャリアを用いることで信号を低損失で伝送できるため、数百km離れた遠隔地間と高精度に周波数の比較を行うことが可能です。 この方式による伝送精度の限界は光ファイバリンク自身の雑音に左右されます。 我々は室内実験において約100 kmの光ファイバを用いて10-15(短期)、10-18(長期)の安定度を実証しました。

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光コムのSIへの貢献

光格子時計への応用(秒の定義改訂への貢献)

コム安定化レーザⅠ(冷却用レーザの周波数安定化)

UTCに同期した光コムは全てのコムモードがUTCによって周波数安定化されているので、あるコムモードにレーザーを安定化すると、UTC安定化レーザが実現できます。このようなレーザーは安定化レーザとして様々な用途に使えます。その一つが原子冷却用レーザです。冷却遷移のスペクトル線幅が100 kHz以上とそれほど狭くないときには、UTC安定化レーザーでの冷却が十分可能です。これ以上狭いときには、後述する線幅転送を利用します。

コム安定化レーザⅡ(時計遷移観察レーザの周波数安定化:線幅転送)

0番目のコムモードである\(f_\mathrm{CEO}\)を安定化し、基準となる安定化レーザーとコムとのビートを安定化(\(N\)番目のコムモードを安定化)することで、光コムの全てのモードを安定化することができます。その応用の一つが「線幅転送」です。ここでは、\(f_\mathrm{CEO}\)を安定化するとともに、\(N\)番目のコムモードを安定化するためにスペクトル線幅1 Hz級の高安定レーザーを用います。これらの安定化を高速に行うことで、高安定レーザーのスペクトル線幅がオクターブを超える全波長域の全てのコムモードに転送されます。そして、欲しい波長のコムモードにレーザーを安定化し、光格子時計の時計遷移観察や、原子の冷却に用いることができます。

シリコン単結晶球体積測定への応用(キログラム定義実現への貢献)

2019年5月まで、アボガドロ定数およびプランク定数は定義ではなく測定して決定する対象で、これらを決定するためにシリコン結晶の密度を測定していました。2019年5月にキログラムの定義が改訂されてからは、アボガドロ定数およびプランク定数は定義として値が固定され、シリコン単結晶球の密度を測定することでキログラムを実現できるようになりました。シリコン単結晶球の密度を精密に測定するためには、ほぼ真球に研磨された質量1 kgのシリコン単結晶球を製作し、球体の体積と結晶の格子定数を精密に測定します。

光コムに安定化したHeNeレーザー

我々は、シリコン単結晶球の体積測定に用いる干渉計のための、波長633 nmの周波数基準レーザー光を提供しています。光コムのひとつのモードに周波数安定化したこの基準レーザーはとても堅牢で、数週間の体積測定期間中ロックが外れることなく、安定した周波数基準を供給し続けることができます。

精密広帯域周波数可変レーザーシステムの開発

周波数の精密性と広い周波数帯域にわたる連続同調性を併せ持つCWレーザーは、SIキログラム定義改定に向けたアボガドロ定数精密測定プロジェクトにおいて、位相シフト法によるシリコン単結晶球の精密体積測定に用いられてきました。2019年5月のキログラム定義改定後は、新しい定義に基づいた高精度な質量測定を実現するために、より高い精度でのシリコン球の体積測定が求められています。体積測定精度の制限要因であるレーザー光の回折効果を評価・抑制するために、これまで用いられてきた633 nmより短い波長で、より広い掃引範囲の精密広帯域周波数可変レーザーシステムが必要となります。

右図(a)に本研究で開発したレーザーシステムの概要を示します。EOMで発生したサイドバンドをマスターレーザーにオフセットロックすることで、固定周波数でのビート信号検出と広帯域周波数掃引、および低パワー損失を実現し、波長852 nmで20 GHz以上連続的に周波数掃引しました。さらに、導波路型PPLNを用いた第2次高調波により波長426 nmを得ました。右図(b)(c)は、周波数掃引したときの波長426 nmレーザーのパワーとそれをマイケルソン干渉計に入射したときの出力信号です。レーザー周波数に合わせてPPLN温度を調整することで、波長426 nmで40 GHzにわたる連続周波数掃引を実現しました。

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天文コム

天体視線速度の精密測定のための波長標準

天体視線速度の精密測定は系外惑星探査をはじめとした天文観測において重要な技術です。視線速度法は、恒星スペクトルのドップラーシフトからその恒星を周回する惑星の存在を知る手法です。初めての系外惑星発見にも用いられ、2019年ノーベル物理学賞の対象になりました。視線速度法に用いる分光器の波長標準には、伝統的にTh-Arランプの輝線やヨウ素吸収セルが用いられているが、地球サイズの系外惑星探査や宇宙加速膨張の直接観測には精度が1-3桁足りません。そのため、広い波長帯域にわたって均一なパワーのスペクトル線が最適な波長間隔で並ぶより理想的な波長標準が求められており、その有力な候補として天文コムAstro-comb)が盛んに研究されています。

天文コムに要求される性能は以下のようにまとめられます。

  1. 輝線の間隔が分光器の分解能に適している(> 10 GHz)
  2. 広い波長域をカバーしている
  3. 輝線の強度が十分にある
  4. 輝線間の強弱が均一で、時間変化が少ない
  5. 天文台で長期的に安定して稼働させられる

これまでの光コム技術では、特に1と2の性能の両立が困難です。輝線の間隔は光コムの繰り返し周波数(\(f_\mathrm{rep}\))に相当し、多くの高分散分光器の分解能は8-15 GHzであるのに対し、モード同期ファイバーレーザーを用いた光コムの\(f_\mathrm{rep}\)はたかだか300 MHz程度です。また、\(f_\mathrm{rep}\)が高くなると同じ平均パワーでもパルスエネルギーが小さくなるので、非線形効果による広帯域化が難しくなります。これらの困難を克服するために、モード抜き出しによってモード同期レーザーの\(f_\mathrm{rep}\)を高くしたり、パルス成型や高非線形ファイバーを駆使してスペクトル広帯域化したりといった技術が開発・採用されています。

我々は、信頼性の高いErファイバーレーザーを用いて、国立天文台ハワイ観測所岡山分室の高分散分光器「HIDES-F」やすばる望遠鏡の高分散分光器「HDS」のための波長校正用光コムを開発しています。

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論文・特許リスト

【原著論文】

  1. "40 GHz continuous, precise, and low power-loss laser frequency sweep using an electro-optic modulator,"
    S. Okubo, N. Kuramoto, and H. Inaba,
    Optics Express 28, 11956 (2020).
  2. "Evaluation of Fiber Noise Induced in Ultrastable Environments,"
    M. Wada, S. Okubo, K. Kashiwagi, F.-L. Hong, K. Hosaka, and H. Inaba,
    IEEE Transactions on Instrumentation and Measurement 68, 2246 (2018).
  3. "Molecular gas thermometry on acetylene using dual-comb spectroscopy: analysis of rotational energy distribution,"
    Y. Shimizu, S. Okubo, A. Onae, K. M. T. Yamada, and H. Inaba,
    Applied Physics B 124, 71 (2018).
  4. "Multi-branch fiber comb with relative frequency uncertainty at 10-20 using fiber noise difference cancellation,"
    K. Kashiwagi, Y. Nakajima, M. Wada, S. Okubo, and H. Inaba,
    Optics Express 26, 8831 (2018).
  5. "Offset-free optical frequency comb self-referencing with an f-2f interferometer,"
    S. Okubo, A. Onae, K. Nakamura, T. Udem, and H. Inaba,
    Optica 5, 188 (2018).
  6. "Fixed point variations of a frequency comb generated by a passively mode-locked fiber laser,"
    K. Kashiwagi and H. Inaba,
    IEICE Electronics Express 14, 1 (2017).
  7. "Dual-comb spectroscopic ellipsometry,"
    T. Minamikawa, Y.-D. Hsieh, K. Shibuya, E. Hase, Y. Kaneoka, S. Okubo, H. Inaba, Y. Mizutani, H. Yamamoto, T. Iwata, and T. Yasui,
    Nature Communications 8, 610 (2017).
  8. "Transition dipole-moment of the ν1 + ν3 band of acetylene measured with dual-comb Fourier-transform spectroscopy,"
    S. Okubo, K. Iwakuni, K. M. T. Yamada, H. Inaba, A. Onae, F.-L. Hong, and H. Sasada,
    Journal of Molecular Spectroscopy 341, 10 (2017).
  9. "Determination of the Avogadro constant by the XRCD method using a Si-28-enriched sphere,"
    N. Kuramoto, S. Mizushima, L. L. Zhang, K. Fujita, Y. Azuma, A. Kurokawa, S. Okubo, H. Inaba, and K. Fujii,
    Metrologia 54, 716-729 (2017).
  10. "Offset-free all-fiber frequency comb with an acousto-optic modulator and two f-2f interferometers,"
    K. Nakamura, S. Okubo, M. Schramm, K. Kashiwagi, and H. Inaba,
    Applied Physics Express 10, 072501 (2017).
  11. "Polarization-sensitive dual-comb spectroscopy,"
    K. A. Sumihara, S. Okubo, M. Okano, H. Inaba, and S. Watanabe,
    Journal of the Optical Society of America B 34, 154-159 (2017).
  12. "Ortho-para-dependent pressure effects observed in the near infrared band of acetylene by dual-comb spectroscopy,"
    K. Iwakuni, S. Okubo, K. M. T. Yamada, H. Inaba, A. Onae, F.-L. Hong, and H. Sasada,
    Physical Review Letters 117, 143902 (2016).
  13. "Generation of a frequency comb spanning more than 3.6 octaves from ultraviolet to mid infrared,"
    K. Iwakuni, S. Okubo, O. Tadanaga, H. Inaba, A. Onae, F.-L. Hong, and H. Sasada,
    Optics Letters 41, 3980-3983 (2016).
  14. "Near-infrared broadband dual-frequency-comb spectroscopy with a resolution beyond the Fourier limit determined by the observation time window,"
    S. Okubo, Y.-D. Hsieh, H. Inaba, A. Onae, M. Hashimoto, and T. Yasui,
    Optics Express 23, 33184-33193 (2015).
  15. "All-optically stabilized frequency comb,"
    S. Okubo, K. Gunji, A. Onae, M. Schramm, K. Nakamura, F.-L. Hong, T. Hattori, K. Hosaka, and H. Inaba,
    Applied Physics Express 8, 122701 (2015).
  16. "Novel phase-locking schemes for the carrier envelope offset frequency of an optical frequency comb,"
    S. Okubo, A. Onae, K. Hosaka, H. Sera, H. Inaba, and F.-L. Hong,
    Applied Physics Express 8, 112402 (2015).
  17. "Ultra-broadband dual-comb spectroscopy across 1.0-1.9 μm,"
    S. Okubo, K. Iwakuni, H. Inaba, K. Hosaka, A. Onae, H. Sasada, and F.-L. Hong,
    Applied Physics Express 8, 082402 (2015).
  18. "Study on a precise frequency comparison system using an optical carrier,"
    M. Wada, K. Watabe, S. Okubo, T. Suzuyama, F.-L. Hong, and M. Amemiya,
    IEEJ Transactions on Electronics, Information and Systems 134, 526 (2014) [In Japanese].
  19. "Spectroscopy of 171Yb in an optical lattice based on laser linewidth transfer using a narrow linewidth frequency comb,"
    H. Inaba, K. Hosaka, M. Yasuda, Y. Nakajima, K. Iwakuni, D. Akamatsu, S. Okubo, T. Kohno, A. Onae, and F.-L. Hong,
    Optics Express 21, 7891-7896 (2013).

【特許】

  1. 「広帯域光周波数コム光源および広帯域光周波数コムの発生方法」
    特許第6504658号
  2. 「超短光パルスの増幅方法及び超短光パルス増幅装置、並びに広帯域コム発生装置」
    特許第5182867号

【研究成果検索】

その他の業績については、産総研研究成果データベースをご利用下さい。

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