γ線標準

更新 2011/2/23

 当所では、Co-60とCs-137からのγ線について、空気カーマ(率)および照射線量(率)の標準を設定しています。 空気カーマ率の大小によって、大線量照射室と小線量照射室の2つの部屋を使い分けています。 校正を行っているγ線のエネルギーは0.66 MeV(Cs-137)、1.17、1.33 MeV(Co-60)であり、 X線のエネルギーよりはるかに大きい。そのため生じる二次電子のエネルギー分布は、 より高エネルギー側に分布の最大値を持つようになります。 したがって二次電子の最大飛程が長くなり(1 MeVの電子に対して最大飛程は約3.3 m)、 X線の照射線量測定と同様の装置で測定しようとすると、荷電粒子平衡を成り立たせるためには 自由空気電離箱の大きさが非常に大きくなってしまいます。 これは空間的に現実的ではないので、X線と同様の装置による絶対測定法を用いることができません。 そこで、図3、4に示したグラファイト壁空洞電離箱を用いて、γ線の照射線量測定を行っています。 荷電粒子平衡を実現するための空気の厚さを、グラファイトの壁厚に置き換えて装置を小型化しています。 照射線量および空気カーマは、自由空気平行平板電離箱と同様に、検出した電荷量と空気の質量の比に基づいて求めています。 模擬空気であるグラファイトと真の空気の違いは、補正係数として考慮しています。 当所では一次標準として2種類の大きさのグラファイト壁空洞電離箱を使っており、 その大きさは深さ50mm、内径40mm、および深さ19.3mm、内径20mmです。(図3参照)。



図3 グラファイト壁空洞電離箱の断面図



図4 グラファイト壁空洞電離箱の写真