8: | タイプBの評価方法について説明してください。 |
統計的方法以外の方法ですから、いろいろなやり方が考えられます。GUMの中では、今までの経験、知識などでばらつきの大きさを推定することが挙げられています。装置の仕様、文献値、他者が発行した校正証明書のなかに書かれた値などもあります。
ここでの問題は、ばらつきの大きさを標準偏差に相当する値で求めるという部分です。標準偏差が何を表すか直観的に分かりにくいからです。データがあれば計算すれば自然に値が出てきますが、それを直接的に推定するというのは感覚的に理解しにくい量であるだけに難しい問題です。そこで、GUMでは、
1)限界値が分かっている。
2)限界内に、データがどのような形で分布しているかが分かっている。
の二つ条件があれば、簡単な計算で限界値から標準偏差の値を求めることができることを例示しています。分布の形としては、一様分布、三角分布、台形分布、正規分布などが例示されています。
一方、タイプBの評価とは分布を仮定する方法であるという誤解をしている場合もあり、分布を推定するためにデータをとってから、近似的な分布形を決めるという人もいます。でも、データがあるなら、それから標準偏差を計算すればいいわけですから、本末転倒ともいえます。データがあるなら、タイプAの評価をすべきでしょう。