7: タイプAの評価について説明してください。

 タイプAの評価方法で「統計的方法」というと、「難しい」という反論が返ってきそうですが、難しく考える必要はありません。タイプAの評価は、実際のデータをもとにしてそのばらつきを計算することと考えることもできます。統計的方法という表現を使うのではなく、自分で実際に取ったデータに基づく見積もりである、という言い方をする人もいます。GUMでは、他者が取ったデータによる評価はタイプBの評価に分類されています。

 GUMの中では、ここでは式を書きませんが、集められたデータから標準偏差を計算する式が示されています。この式に実際のデータを当てはめて計算すれば、標準偏差は求められます。

 統計的方法というのは、こうしたいという目的に即したデータの集め方、データの計算方法、計算された結果の解釈で成り立っています。データの集め方によってデータの計算方法が決まってきます。結果の解釈では、例えば統計的検定のような方法が考えられています。そのなかで、幾つかの仮定あるいは前提があります。その仮定の下で、こうであろうという仮説を立てて、その仮説がどの程度の確率で成り立つといえるかを検証していくという独特の手続きです。これをうまく使うためには統計の専門家を活用すればいいのです。例えば実験計画法という統計的方法を活用すれば、効率よく実験をすることができます。