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太陽光発電研究センター

太陽光発電研究センター

エネルギー・環境領域
 

先進プロセスチーム(Advanced Processing Team)

 

研究の目的

太陽光発電の発電コスト低減には、太陽電池の変換効率の向上と製造コストの低減が不可欠です。先進プロセスチームでは、主にシリコン系太陽電池の高効率化、低コスト化を図る太陽電池作製プロセスの技術開発を進めています。

アプローチ

シリコン系太陽電池は結晶系と薄膜系に分類されますが、アモルファスシリコンとその合金薄膜は両者に共通する技術であり、接合形成や光吸収層として広く用いられています。先進プロセスチームでは、ヘテロ接合型結晶シリコン太陽電池および薄膜シリコン太陽電池の高性能化を目指し、アモルファスシリコン系薄膜の高品質化、アモルファスシリコン系薄膜/結晶シリコン界面の欠陥終端(パッシベーション)やキャリア輸送特性の向上、新規ヘテロ接合形成材料や高度光閉じ込め技術の開発、プロセス診断技術の開発などを進めています。また、太陽電池の革新的な低コスト化・高効率化を狙った新しいシリコン系材料やハイブリッド材料の開発も進めています。

研究内容

これまで培ってきた薄膜シリコン系材料の製膜技術をヘテロ接合型結晶シリコン太陽電池へ展開し、表面パッシベーションやヘテロ接合形成、光閉じ込めに関する研究を推進しています。将来のウェーハ薄型化を見越し、ウェーハ厚さと発電特性の相関を実験的に明らかにすることで、薄型の結晶シリコン太陽電池の可能性を検証しています。また、70ミクロン厚の薄型ウェーハを用いたヘテロ接合型太陽電池を試作し、一般的な厚さのウェーハ(190ミクロン)と同等の太陽電池特性を実現しました。
 
 並行して、太陽電池材料の製膜に広く用いられるプラズマCVDプロセスの診断と制御に関する研究も進めています。プローブ法、発光分光法、質量分析法、レーザー分光法などを用いてプラズマを計測すると共に、分光エリプソメトリや当チームが独自に開発したポンプ・プローブ法を用いて太陽電池材料の実時間・その場計測を行っています。これらのプラズマ・材料計測から得られる結果や知見をもとに、デバイスの高性能化に繋がる低ダメージプロセスやダメージ回復技術の開発に取り組んでいます。
 
 アモルファスシリコンに代わる新たなヘテロ接合材料の開発も進めています。例えば酸化チタンは、結晶シリコンに対して電子選択性コンタクトとして機能することが知られていますが、当チームでは、原子層堆積法(ALD)による酸化チタン膜が正孔選択性コンタクトとしても機能することを見出し、これを利用してより透明で低コストなヘテロ接合材料の開発を行っています。また、低温プロセスを用いた酸化物系の新規パッシベーション膜の開発にも取り組んでいます。例えば、ALD法で製膜した極薄の水素添加シリコン酸化膜(SiOX:H)が結晶シリコンの良好な表面パッシベーション膜として機能することを確認するとともに、アニールによる膜構造の変化とパッシベーション特性との相関を詳細に調査しています。こうした知見は、新規な太陽電池構造の開発に繋がる可能性を秘めています。

 一方、薄膜シリコン太陽電池は、屋外のみならず屋内用の発電素子としても広く用いられ、IoT技術を支えるマイクロ分散電源としても期待されています。当チームでは、独自技術であるトライオード型プラズマCVD法や、ハニカムテクスチャ型光閉じ込め構造を開発することで、アモルファスシリコン、微結晶シリコン、及びそれらを組み合わせた多接合太陽電池において、数々の世界最高の発電効率を達成しています(例えば、3接合太陽電池で世界最高の発電効率14.0%、2018年3月時点)。

 そのほか、結晶シリコン太陽電池の抜本的な低コスト化を狙い、レーザー照射により瞬間溶融・結晶化させる液相結晶化シリコン薄膜の開発も進めています。また、ナノ結晶シリコンやそれを有機材料と組み合わせたハイブリッド材料を用いて革新的な高効率を目指した太陽電池材料の開発にも取り組んでいます。

 

図1            図1  
図1. 先進プロセスチームにおける研究対象と研究テーマの概略       図2. 高品質材料の形成・低ダメージプロセスの開発に用いるプラズマCVDプロセス診断装置の概略


図1図1

図3. 左:様々な厚さのヘテロ接合型結晶シリコン太陽電池の発電特性の例(ウェーハはコマツNTC(株)より提供)
   右:世界最高効率を達成した薄膜シリコン太陽電池(三接合)の分光感度特性




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