国立研究開発法人産業技術総合研究所のHPへ

現在位置> 組織 > 研究センター > 太陽光発電研究センター > 太陽光発電とは > 太陽光発電の発電量 > 出力変動と緩和策

メニュースキップ

太陽光発電研究センター

エネルギー・環境領域
 

出力変動と緩和策

 

「お天気まかせ」でも大丈夫

太陽電池は光が当たっている時しか発電しません。このため、太陽の動きや天候によって出力が変動します(図1)。このような「お天気任せ」の発電所で大丈夫なのかと思われるかも知れませんが、これでも化石燃料の使用量を節約できます。

太陽光発電の変動への対応は、大きく分けて2つの面から捉えることができます。電力系統全体の計画とも関係するため複雑ですが、いずれも現実的な対応が可能です。

(1)比較的短い周期(数秒〜数十分)の変動:
個々の太陽光発電所の出力は、雲の通過に合わせて変動します(図1)。このような短い周期の変動は、現在は設備の規模が小さいため問題になりませんが、現在の数十倍の設備規模になると、系統の調整能力を高める対策が必要なケースが考えられます。しかし系統全体で考えた場合、距離が離れたところにある発電所同士では、雲のかかるタイミングがずれるようになります。このためお互いが離れた場所にあれば、変動が打ち消し合って、全体的な変動が穏やかになってきます(図2)。これをならし効果と言います。この例ではたった20軒分ですが、実際には何十万、何百万軒分も足しあわされますので、全体の出力が十分に滑らかになると考えられます(図3)。このならし効果でも抑制できない変動分については、将来的にある程度の対策が必要になる可能性があります。

(2)比較的長い周期(数時間〜数日)の変動:
 太陽光発電は需要の多い昼間だけに発電しますので、基本的には既存の電力需要内で消費することができます。このため時間帯による需給バランスの変化から見ますと、当面は大きな心配はないと考えられます。しかし今後普及が進んで、日本の設備量がたとえば今の数十倍の規模になりますと、需要の少ない日に昼間の電力が余る場合が出てきます。そのような場合が増えてくると、ある程度の蓄電設備が必要になると考えられます。

このように太陽光発電の変動は大きく2種類に分けられ、いずれはそれぞれ対策が必要になると考えられます。この際利用できる対策方法は多岐に亘ります。蓄電池の設置のほか、送変電設備の強化、複数の電源の協調(マイクログリッド)や負荷(電力需要)側での平準化など、様々な方法が利用可能です。今後こうした対策を用いて、電力を含むエネルギーネットワークを包括的に改良していく必要があると考えられます(*1)。それぞれの対策をどのように組み合わせて使うのが良いのか、現在検討が進められています(*2)。

以上のように、これまでとは性格の異なる発電方式のため、普及に伴って人手・費用・時間をかけた対策が必要になると考えられます。しかしこのような手間がかかっても、全体的には普及の利益が上回ると考えられます。またこうした対策で用いられる情報通信技術と電力制御技術、蓄電技術は電気自動車など様々な分野に応用できるため、導入に当たってはそのような産業との相乗効果も期待できると考えられます。こうしたことから、世界での需要も急増すると見られています


(*1)…このような系統の包括的な改良技術はスマートグリッド(賢い送電網)とも呼ばれます。分散型電源の活用やエネルギー効率の向上、系統の機能強化などを目的として、現在世界各国で研究が進められています。

(*2)…当研究所でも分散型エネルギーネットワーク技術を研究しております。

(最終更新:2008年12月24日)

家一軒分の設備での例

↑図1 家一軒分の設備における天候による変動の例

分散配置によるならし効果の例

↑図2 分散配置によるならし効果の例(クリックで拡大します)

ならし効果の概念図

↑図3 ならし効果の概念図(クリックで拡大します)

←戻る | 太陽光発電とはTOP → ページの先頭へ
  ご利用条件  |  個人情報保護 ©産総研