> 日本を元気にする産業技術会議 > 提言 > 分野別提言

Ⅲ.分野別提言

日本の産業を元気にし、社会の活力を高めるのはイノベーションの力だ。拡大するグローバル市場やサイバー市場を獲得するには大胆な発想の転換が必要だ。国内市場を対象とするのではなく、グローバル展開を前提とした技術やビジネス、ライフスタイルの革新(イノベーション)が求められている。

日本の製造業の強みは材料・素材にある。この強みを先端的な研究開発を通じてもっと伸ばしイノベーションにつなげることが大切だ。また、国内総生産(GDP)の7割以上を占めるサービス産業でもイノベーションが重要だ。この提言は企業のグローバルなオープンイノベーションを後押しすることを狙っている。

イノベーションを達成するうえで欠かせないのが情報技術(IT)の活用である。ITによって、これまで培ってきたものづくりの技術に一段と磨きをかけ競争力を高められる。ものづくりをサービスと組み合わせた価値づくり(ことづくり)の産業を伸ばすにも、ITは不可欠だ。病気や遺伝子など情報を活用し、超高齢化社会における人々の健康の維持や難病の克服に挑戦したい。エネルギーの安定供給や分散型の電力システムの実現でもIT利用のスマートグリッドが期待を集めている。

イノベーションに不可欠のもうひとつの要素は幅広い視野を備えた人材だ。もっと多様な人材を育てる、あるいは海外から引き込む。自然科学、人文科学を問わず深い専門性を備え、さらに専門性プラスアルファの広い知識、コミュニケーション力や表現力、異文化や異なる価値観を理解し受容する力などをもつ人材を育てる環境作りが求められている。

国際標準化のプロセスに早くから参画することが産業の競争力に不可欠だ。日本では国際標準の意義について産業界などの認識が十分ではない。産学官を挙げて国際標準の動向を注視し重要技術分野で積極的に規格案を提出、国際舞台でリーダーシップをとれる人材を戦略的に育成する必要がある。

またすべての技術はリスク評価なしでは社会に受容されない。リスクを正しく評価し伝える施策を充実させる必要がある。

イノベーションの実現には、挑戦することを恐れない文化を日本社会に根付かせることも極めて重要だ。変化が速く未来が不確実にみえる世界で、何かに挑戦するリスクよりも何もしないリスクの方が大きいことを、日本人に認識してもらいたい。新しいことに挑戦する人を積極的に評価する組織風土を日本の企業に醸成したい。

←前提言トップに戻る次→

「日本を元気にする産業技術会議」事務局

〒305-8560 茨城県つくば市梅園1−1−1 産業技術総合研究所 中央第1

E-mail:ind_tech_council-ml@aist.go.jp