研究テーマ

光パスコンディショニング

光パスコンディショニングとは、ダイナミック光パスネットワークにおいて光パスが切り替わる毎に光パスの光伝送条件を瞬時に整える(コンディショニングする)技術の総称です。具体的には、光パス切り替えに連動した群速度分散・偏波モード分散の自律的補償技術や光信号の雑音を抑制する光信号再生技術などがこれに当たります。本拠点では、さらに、光パスの伝送効率を向上するために高効率光トランスポート技術にも取り組みます。

拠点では、これまで、光パスコンディショニング技術として産総研独自の光パラメトリック可変分散補償技術の開発に取り組んできました。可変分散補償は、従来技術では帯域や応答速度などに原理的な制限がありダイナミック光パスネットワークへの対応が難しいとされてきました。そこで、これらの要望を全て満足する、独自に発明したパラメトリック過程を用いる全く新しい可変分散補償器の開発を、協働企業である古河電工とトリマティスとともに進めてきました。具体的には、産総研が設計・評価を行い、古河電工が高性能特殊光ファイバを開発し、トリマティスは高速デジタル制御技術の開発を行っています。これまでの成果として、信号帯域THz以上の動作確認と、マイクロ秒台の分散値切り替え時間を達成しています。今後はブラックボックス化を進め、フジクラの開発する高速分散モニタ技術と組み合わせ、高速広帯域自律分散補償技術の確立を目指します。

光パスコンディショニングの新たなサブテーマとして、高効率光トランスポート技術に取り組みます。具体的には、富士通研究所は、産総研と協働で高度な光変調方式による多重化技術の開発を行います。アルネアラボラトリは、産総研と協働で高度な光変調方式の超高速光波形観測技術を開発します。古河電工は、上記特殊ファイバの開発に加え、ダイナミック光パスネットワークで必要となる超高密度多芯光ファイバケーブルの実現をめざした新しい伝送用光ファイバの開発を行います。
 

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