ネットワークアーキテクチャ・スタディグループ(NASG)
将来のネットワークにおいて光デバイスの潜在性を極力引き出すためには、アプリケーションからデバイス技術まで串刺しにした既成概念にとらわれないネットワークアーキテクチャの議論が重要です。NASGは、そのような議論の場として、各技術レイヤーの研究者が、ターゲットとするネットワーク・イメージを共有することを目的として設立しました。原則として拠点参加研究者全員をメンバーとする、垂直連携のためのスタディグループです。
これまでのNASGでは、業界の有識者の方々によるレクチャーを開催し、関連課題に関する理解を深め将来に向けた方向性の検討を行ってきました。これに並行して、センター・ツー・エンド並びにエンド・ツー・エンドの映像伝送サービスを効率的に実現するダイナミック光パスネットワークアーキテクチャーの基本検討を行い、クリーンスレートから理想的なネットワーク構成ができれば、3桁以上高いエネルギー効率を有し持続発展可能なスケーラブルなネットワークを実現できることを示しました。
これからの活動では、原則として従来の活動を継続しながら、次のように拡大いたします。まず、レクチャー活動には、拠点メンバーだけでなく拠点諮問委員の先生方をはじめとする業界の有識者の方々にも参加いただき、技術交流の範囲を拡大することでより活発な議論を図ります。そうして、現状から現実的に発展可能な実用的ダイナミック光パスネットワークのアーキテクチャの詳細検討を進めます。具体的には、クラウド時代からその先のユーザ・ツー・サーバ網および次世代CDNなどのデータセンター間網、第4世代モバイル以降を支える大容量光バックホール網、そして、3000万ユーザが、リアルタイム超高精細映像信号を含む最大100 Gbps級の広帯域ストリーム信号を双方向で利用できる光パスネットワーク構成を視野に入れた、包括的なアーキテクチャの検討を行います。さらに、究極のネットワークに向けたマイグレーションパスすなわち実用化を踏まえた技術ロードマップを明確にして、光パススイッチノードに要求されるスループットやコストターゲットなどの性能を定量的に明らかにするとともに、各要素技術・デバイスレイヤーへの要求仕様としてブレークダウンしていきます。さらに、拠点発の技術が実用化されるために、協働企業と連携したマーケット調査や公開デモ実験を実施するなど情報発信やプロモーション活動を推進いたします。