シリコンフォトニクス研究チーム

研究目標
シリコンフォトニクスはシリコン電子デバイスの製造技術をベースとした高密度光デバイス集積プラットフォーム技術です。超小型、低環境負荷、かつ経済性の高い光回路を提供することができ、さらに信頼性や電子回路との集積性にも優れています.そこで、当技術は情報通信からセンシングまでの幅広い応用を通じSDGsの実現にむけたブレークスルーとして期待されています.当チームでは、この新しいフォトニクス技術の広範な産業展開と更なる先鋭化にむけて、以下の研究開発を進めています.
1)標準シリコンフォトニクス技術
2)先進シリコンフォトニクス技術
3)シリコンフォトニクス研究開発エコシステム構築
シリコンフォトニクスによる光デバイス集積のイメージ

図1 シリコンフォトニクスによる光デバイス集積のイメージ



重点研究
1) 標準シリコンフォトニクス技術
特徴1:最先端の加工技術を用いた、低損失かつ大規模な光集積
・産総研SCRの45nmノードシリコン加工ラインを利用: LER ≲ 1nm
・世界最高水準の低損失シリコン光導波路を実現:伝搬損 ~1dB/cm
・高い面内均一性により、世界最大規模の光集積回路を実現
特徴2:高度な設計技術に基づく高性能光デバイス
・光伝搬/光デバイス/光集積回路シミュレーション
・電子デバイス/高周波シミュレーション、加工プロセスシミュレーション
・上記設計技術を駆使した高効率光ファイバ結合、高速光変調器(図2)などの高性能光デバイス
特徴3:プロセスデザインキット(PDK)による開発技術の標準化
・製造プロセスと設計ルールの標準化、設計チェックツールやデバイスライブラリの整備等
マッハツェンダ(MZ)干渉計型高速光変調器

図2 マッハツェンダ(MZ)干渉計型高速光変調器


2)先進シリコンフォトニクス
特徴1:異種材料集積による多機能シリコンフォトニクスデバイス集積
 ・窒化シリコン導波路集積による超低損失光入出力構造(図3(a))
 ・窒化シリコンによるセンサー用低損失可視光導波路(図3(b))
 ・トランスファープリンティングによる化合物半導体集積(図3(c))
 ・グラフェン装荷導波路による高効率光コム生成・・・等
特徴2:光集積回路の高機能応用
 ・ユニタリ変換干渉回路(図3(d))による低遅延ニューロモルフィック演算
 ・機械学習による光集積回路の任意機能再構成・・・等
先進シリコンフォトニクス技術の例

図3 先進シリコンフォトニクス技術の例


3)シリコンフォトニクス研究開発エコシステム構築
特徴1: 産学連携シリコンフォトニクスコンソーシアムを通じたオープンイノベーション体制
 ・相乗りシャトル試作や個別試作の提供(図4)
 ・設計・実装・評価などの周辺技術開発
 ・上記施策を通じ、シリコンフォトニクスの幅広い産業展開を促進
特徴2:共同研究等を通じた応用技術開発支援
 ・共同研究の例
  情報通信: 光通信用デバイス集積、低消費電力ネットワーク
  計測技術: 光コム生成、短パルス計測
  センシング:LIDAR・・・等
シリコンフォトニクスコンソーシアムで実施している相乗りシャトル試作トライアル

図4 シリコンフォトニクスコンソーシアムで実施している相乗りシャトル試作トライアル


保有技術
・フォトニックデバイス設計・評価技術
・フォトニクス・エレクトロニクス融合デバイス設計技術
・シリコンフォトニクスデバイス製造プロセス設計技術
・窒化シリコン導波路形成技術
・異種材料基板集積技術

「VICTORIESオープンイノベーションハブ」として、総合的なシリコンフォトニク技術を提供しています。 加工精度や量産性に優れる300mmウエハ試作ラインを用いた様々なシリコンフォトニクスデバイスのの設計・製作、および評価に関する支援をいたします。
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主要論文