計量標準総合センター : National Metrology Insutitute of Japan (NMIJ)

工学計測標準研究部門
強度振動標準RG
穀山 渉さん
工学計測標準研究部門
気体流量標準RG
岩井 彩さん
物理計測標準研究部門
量子電気標準RG
大江 武彦さん
物理計測標準研究部門
高周波標準RG
木下 基さん
物質計測標準研究部門
ガス・湿度標準RG
天野 みなみさん
物質計測標準研究部門
粒子計測RG
村島 淑子さん
分析計測標準研究部門
放射線標準RG
清水 森人さん
分析計測標準研究部門
X 線・陽電子計測RG
オロークブライアンさん

PROFILE
大江 武彦さん
Takehiko OE
物理計測標準研究部門
量子電気標準研究グループ
入所年 2006 年

やりたい研究と、充実したプライベート。両方を手にすることが出来る自由な環境
研究内容

「直流抵抗標準の維持・供給および高度化」

 どんな質問に対しても、飾らず本音を語ってくれた 大江さんは、電気抵抗の標準をつくっている。電圧 や電流などと同じ電気単位の標準である。6歳、4歳、 1 歳の3 人の子どもの父親でもあり、休日は子どもたち と遊んだり、薪ストーブの薪割りを楽しんでいるという。
 産総研では、自分の都合に応じて午前7 時から午 後8 時までの範囲内で、始業時刻と終業時刻を自分 で決定できる「フレックスタイム制」の他、研究職では、 一定要件を満たせば実際の労働時間に関わらず、 一定の時間を労働したものとみなして、自分で労働時 間を管理できる「裁量労働制」も取り入れられている。 自分のペースで仕事をできるのが研究職としては最大 のメリットだという。大江さんはこのメリットを活かして、 産総研に採用されてから博士号を取得したのだ。産 総研の研究者は、自由度の高い職場環境を最大限 に活用して、各々が自分の責任のもとで自律して研究 をおこなっているという。
 育児休暇は子どもが3 歳になるまでの間に10日の 範囲内で取ることが出来る。大江さんは妻の出産 時に取得できる2日間の休暇の他、育児休暇 も取得している。「自分の学んできた好きなこ とや、自分のやりたい好きな仕事が出来て 学位も取れた。更に充実したプライベート も楽しむことができる。自分にとって産総研 で仕事をする大きなメリットだ。」と大江さんはい う。もともと理系が好きで、就職に有利だと考え大 学に入学した。多くの人は博士まで行って、ほぼ同じ テーマでそのまま研究を続けることが多いと思うが、自 分は修士卒で入所した。大学では電力変換の研究 をしており、産総研の中に電力変換に関する研究をし ているところがあるので、そこを志望しようと思ってい た。しかし、計量・計測の分野があることを途中で知り、 今の研究をすることに心変わりした。単位や基準を決 めるという研究内容に魅力を感じたためだった。
 大学時代の友達の多くは、自動車会社や電力会社 に就職した。自分がいた研究室ではそれが一般的だっ た。そんな中、自分がやりたいと思う研究をしているグ ループがあったこと、研究開発の職に就きたいと思って いたことがマッチして、産総研に決めたという大江さん。
 自分が書いた校正証明書が、日本社会の基準に なるので、それがやりがいにもなり、時にはプレッシャー にもなる。校正作業というのは、ほぼ決まった物を測っ て、出てきた結果の証明書を書く仕事で、ほとんどが ルーチン化されているので、うまく行かないということは あまりない。でも、いつもよりも測定結果にばらつきが 多かったりすることが時々起きる。そんな時には頭を 抱えてしまうこともあるそうだが、校正作業のように地 味でコツコツやる仕事も、嫌いではないという。
 学生時代に電子回路やプログラミングを学んだ。特 にプログラミングが好きで、測定用の装置の作製など に大変役立っている。今の研究は、自分がやりたい 研究でもあり、誰かの役に立っているのかもしれないと 思うことが出来る研究だ。だからこそより早く、精度よ く行って行きたいと、大江さんは語ってくれた。      
大江 武彦さん 大江 武彦さん
[ページの上に戻る]