日本ゼオン・サンアロー・産総研 CNT複合材料研究拠点とは

国立研究開発法人産業技術総合研究所（産総研）ではカーボンナノチューブ（CNT）関連技術を最大限に企業に活用していただくために、ナノ材料の安全性、評価技術、プロセス技術などの産総研のCNT関連の研究員が、CNT関連企業と「CNTアライアンス・コンソーシアム」を組んで技術相談・共同研究を行い、日本発のCNT産業創出を目指しています。

CNT複合材料研究拠点（TACC）は、その「CNTアライアンス・コンソーシアム」でのオープンプラットフォーム共同研究の第1号であり、2017年4月から、日本ゼオン株式会社、サンアロー株式会社が、産総研つくばセンターに関連研究員を出向させ、産総研の研究員と共に、オープンプラットフォームのCNT複合材料研究拠点を形成し、CNTと樹脂・ゴム複合材料のマスターバッチ、成形体の技術営業、商品開発、二軸混練・射出成形などを用いた製造プロセス開発、研究開発を行い、 3年以内のCNT複合材料成形体の上市で、産総研と民間企業が一体となった、日本発のCNT産業の創出を目指しています。

日本ゼオン・サンアロー・産総研CNT複合材料研究拠点では、研究チーム、プロセスチーム、技術営業チームを構成し、三者一体となった活動をしています。研究チームはCNTを用いた新しい複合材料を創製しています。技術営業チームでは創製された新しい複合材料の特長を探索し、お客様に新しい用途を提案しています。その中で、プロセスチームは、二軸混練、射出成形などの工業的プロセスを用いて、CNTゴム・樹脂各種マスターバッチや高耐熱性CNTシーリング材などの成形体の生産技術開発や製品開発に取り組んでいます。

CNTアライアンス・コンソーシアムとは

「CNTアライアンス・コンソーシアム」は、産総研が進めているイノベーションコンソーシアム型共同研究として、CNT研究に関するさまざまな企業が、オープンプラットフォームやクローズドプラットフォームで研究開発することが可能です。

CNT関連事業者からのニーズが高い、CNT材料の安全性、評価技術、プロセス技術などの技術をもつ産総研の研究員約30名が参画し、一丸となって橋渡しに取り組みます。又産総研のCNT技術の一層の見える化のため、相談窓口も一本化します。

その結果、次のようなメリットが得られます。

• 産総研のCNT技術を総括的に使用できます
• CNT事業者の課題解決に最適な研究員体制で対応できます
• 事業者の課題などの変化や新規課題発生に、柔軟に対応できます
• オープンまたはクローズドプラットフォームを選択して研究開発することができます