Leveneの等分散性検定

　Leveneの等分散性検定はBartlett検定の代わりによく用いられるが、正規分布あるいはそれに近い分布の標本の等分散性検定にはBartlett検定を使った方が感度がよいと言われています。しかしながら、ここでは、SPSS統計ソフトなどで一般的によく使われるLeveneの等分散性検定法について紹介します。

　Levene検定の棄却仮説と対立仮説は

です。いま、変数の標本サイズがで、その標本がさらに個ずつの組の小標本に分けられているとすれば、Levene検定統計量は

と定義されます。ここで、

です。ただし、は番目の小標本の平均値です。

　もし、Levene検定統計量が

のような関係になれば、各水準間の少なくとも１組の分散が等分散であるという仮説は棄却されることになります。ここで

は有意水準における自由度との分布の上限値です。

（参考）Bartlett検定

　標本が正規分布あるいは正規分布に近い分布をしている場合は、Leveneの等分散性検定よりBartlettの等分散性検定の方が感度がよいとされています。そこで、ここでは比較のためにBartlettの等分散性検定を併せて紹介しておきます。

　Bartlett検定の棄却仮説と対立仮説は、Levene検定と同じように、

です。いま、変数の標本サイズがで、その標本がさらに個ずつの組の小標本に分けられているとすれば、Bartlett検定統計量は

と定義されます。ここで、は水準の分散であり、は個の各水準の分散を重み付きで平均化した、いわゆるプールした分散であり、

のように表される量です。

もし、Bartlett検定統計量が

のような関係になれば、各水準間の少なくとも１組の分散が等分散であるという仮説は棄却されることになります。ここで

は有意水準における自由度の分布の上限値です。