基幹比較(Key Comparison)
BIPM(Bureau International des Poids et Mesures)のホームページ(http://www.bipm.fr/)に掲載されている、基幹比較データベースのマトリックス表における偏差の拡張不確かさの値が、どのようにして算出されているかを、Framework Reference Number CCQM-5(Consultative Committee for Amount of Substance)の魚油中のp,p’-DDEの例(天然物、呼称値1.5μg/g)について調べてみることにします。
《原データ》
i
分析研究機関 i
測定結果(平均) xi
合成標準不確かさ ui
拡張不確かさ Vi=ki×ui
包含係数 ki
自由度 φi
1
BAM
1.498
0.011
0.022
2
50
2
KRISS
1.525
0.006
0.013836
2.306
8
3
LGC
1.554
0.012
0.024
2
50
4
NARL
1.493
0.032
0.064
2
5
NIMC
1.480
0.007
0.014
2
50
6
NIST
1.500
0.011
0.02541
2.31
8
7
NRC
1.529
0.013
0.026
2
50
8
NRCCRM
1.481
0.008
0.016
2
50
9
PTB
1.535
0.008
0.016
2
50
10
VNIIM
1.606
0.007
0.01729
2.47
総平均 xR =
1.513
標準不確かさ uR =
0.0095
包含係数 kR =
2.365
(NARLとVNIIMは除く)
(NARLとVNIIMは除く)
自由度 φR =
7
《マトリックス表》
《偏差 Di = xi - xR とその拡張不確かさ Ui および基幹比較偏差 Dij = Di – Dj と基幹比較拡張不確かさ Uij》
であるから、基幹比較拡張不確かさは信頼区間95%、自由度のStudentのを用いて
となります。ここで、標準不確かさの2乗和、すなわち、分散和の等価自由度は、Satterswaiteの方法により、それぞれの分散との自由度とから、次式で求められます。