有効自由度
測定量の推定値すなわち出力推定値と入力推定値が互いに独立で
の関数関係で表されるとき、標準不確かさを合成したときの合成標準不確かさは、その感度係数をとすれば、「不確かさの伝播則」(the law of propagation of uncertainty)
を用いて簡単に算出することができます。しかし、この合成標準不確かさから包含係数としてステューデントのの値を用いて拡張不確かさを算出しようとする場合は、合成標準不確かさの「有効自由度」(an effective degrees of freedom)を求める必要があります。
このようなときに役立つのはウエルチ-サタスウェイトの公式(Welch-Satterthwaite formula)、すなわち
という式で求めることができます。ここで、は各標準不確かさの自由度です。
したがって、求める拡張不確かさは信頼の水準のステューデントの分布の逆関数を使って
となります。よって、測定量の推定値は不確かさまで含めた完全な形で表現すれば
となります。