変動係数
母集団の母標準偏差
と母平均
との比率
を変動係数
(coefficient of variation)あるいは相対的変動(relative variation)または相対的標準偏差(relative standard deviation)と呼び、通常この値は100倍した百分率で表示されます。
同様に、標本についても変動係数
を次のように定義することができます。
ここで、
は標本の標準偏差であり、
は標準の平均です。
標本の標準偏差
(通常は標本の不偏分散
の平方根である
を使用します)は標本データ1個当たりの標準不確かさ
に相当するので、標準不確かさ
を変動係数
を使って表現する場合が多い。すなわち、標準不確かさの変動係数
は
と定義されます。もちろん、拡張不確かさ
(ここで、
は包含係数で、通常
)についても変動係数
を定義することができ、次のようになります。
このように、標本の標準不確かさ
あるいは拡張不確かさ
をその標本の平均
で割った値である変動係数
は母集団の特徴をよく表している(たとえば、人間の身長を母集団とし、その母集団から抽出した標本の相対的標準偏差は、年齢や男女差に関わらず、ほぼ
となることが知られている)ので、しばしば標本の比較にこの
値が用いられます。