精密高分子合成技術を基盤とした新規機能性材料の創製

生物に見られる構造や機能と、有機合成・高分子合成技術を融合させることで、分子構造や分子集合構造が精密に制御された機能性高分子を合成し、新規材料の開発を行っている。



バイオベース材料を用いた高機能性材料の創製

人間は太古の昔より自然界に存在する様々な素材・材料を用いて生活を豊かにしてきました。我々のグループでは、このような天然由来の素材や材料に着目し、その機能性発現の秘密を科学的に解き明かすと共に、さらに人工的な工夫を加えることにより、これまでにない高機能性・多機能性材料の創製をおこなっております。

木材等からのリグニン成分の分離と利用

従来、主に熱回収のために燃焼利用されてきたリグニン成分を化学品原料として利用するための分離技術を開発している。リグニン成分は処理される条件により変性・修飾を受ける。そのため、水熱・粉砕処理によって得られた低変性なリグニン成分を中心に、様々な前処理技術によって得られたリグニン成分の特性を検討している。

バイオマスからの1, 3-ブタジエン合成プロセスの開発

1,3-ブタジエンは、合成ゴム(BR, SBR)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)などの原料として需要増加が見込まれている。現在この1,3-ブタジエンはナフサのクラッキングによるエチレン製造時の連産品として製造されているが、シェールガスを原料とするエタンクラッキングにより、安価なエチレンが製造されるようになり、高価なナフサを原料とする日本国内のエチレンの製造量は減少し、必然的に国内の1,3-ブタジエン生産量は減少すると見込まれている。そこで本研究では、バイオマスからの1,3-ブタジエン生産をし供給を行うことを目的として、成分分離後のリグニンを熱化学的変換反応・触媒反応により1,3-ブタジエンを合成する触媒・プロセスの開発を行う。

セルロースからの化学品原料製造プロセスの検討

再生可能な資源であるバイオマス中のセルロースを成分分離し、グルコース等の化学品原料を製造することが求められている。しかしながら、セルロースはヘミセルロースやリグニンと強固に結びついているため、簡単に成分分離することができない。このため、様々な前処理方法等が検討されている。また、樹種等のバイオマスの種類により特性も異なり、それぞれに適した前処理方法の確立が求められる。 これらの問題を解決するため、熱化学的・生物化学的な実験による最適な前処理方法の検討と、プロセス評価による経済性の検討の両面から研究を行い、セルロースから高効率かつ低コストにグルコース等の化学品原料を製造するプロセスの開発を目指している。