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バランス断面法を用いた地下の断層構造の推定

5万分の1地質図「小千谷」に示されている魚沼丘陵の地質断面図から,魚沼層群の褶曲構造と魚沼丘陵隆起前の魚沼層群の形態を推定し,バランス断面法を用いて,深度が約15kmに達する西傾斜の断層が1枚だけ存在するという仮定をおいて丘陵下の断層の形態を求めた.この図は1つの可能性を示しており,分岐断層が存在すれば,断層の形態も異なってくる.また,北側の東山丘陵では褶曲構造が異なっているので,断層の形態も異なっているはずである.余震分布が精度よく決まり,断層面の深さや位置が精度よくわかってくれば,同じ方法を用いて断層形態の推定精度を向上させることができる.

バランス断面作成:岡村行信

バランス断面

* バランス断面法

地表の地質構造やボーリングデータなどの限られた地質構造データから,地下の断層形態を推定する方法.いくつかの手法があるが,ここでは地層の厚さと長さが断層運動によって変化しないという前提で,褶曲して変形している地層が,堆積時のほぼ水平に広がっていた状態に復元できる断層の形態を求めている.断層の形態は褶曲した地層の形態によって変化するが,断層下端の深さも知っている必要がある.ここでは地震の余震深度などを参考に,深さ約15kmになるように調整している.