GSJトップページ > 研究紹介 > 重点プロジェクト・重点研究課題 > 原子力安全規制支援研究プロジェクト > 研究紹介 > 地質データベース

地質データベース

地震・火山活動が頻繁に起こる国で,果たして地層処分が成立するのか.これは誰もが抱く疑問です.

しかし,日本列島全体に火山や活断層があるわけではありませんので,候補地を考える場合には,まずこれまでの調査で分かっている火山・活断層などが近くに存在するかどうかを確認することになります.目に見えるような変化ではありませんが,1万年以上という長い期間では数十m以上も隆起する地域がありますので,浸食により地下に埋設した放射性廃棄物が地表に顔を出さない場所を選ぶことも重要です.さらに,地下に金鉱脈や石油があったりすると,将来の人類が資源開発の対象にする可能性がありますので,経済的価値のある鉱床がある場所は避ける必要があります.この他,地下施設を建設することが困難な未固結の堆積物は避けなければなりません.

特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律には,文献調査対象地区においては,地震等の自然現象による地層の著しい変動の記録がないこと,第四紀の未固結堆積物であるとの記録がないこと,経済的に価値が高い鉱物資源の存在に関する記録がないことなどが明記されています.

これらの条件を満たす場所を探すときには,国民に公開された客観的な情報に基づいて作業することが望まれます.地質図等の形で地質調査総合センターから発行されている文献やデータベースは,この際に非常に役に立ちます.ここでは候補地の適性を考える場合に参考になるデータを紹介します.

 

地質調査総合センターから発行されている文献やデータベース
対象 データベース 説明
火山: 日本の第四紀火山 第四紀(現在~約170万年前)に活動した火山が収録されています
第四紀火山岩体・貫入岩体データベース 本データベースは,1981年に地質調査所から発行された「日本の火山(第2版)」や1999年に日本火山学会から発行された「日本の第四紀火山カタログ」などの従来の第四紀火山データベースでは認識されていない“第四紀”に活動した火山岩体および,“第四紀”に貫入・固結し,その後の隆起・侵食作用によって地表に露出した貫入岩体を採録しています.
活断層: 活断層データベース 日本全国の主な活断層の位置・変位速度などが記載されています。
隆起・侵食: 活構造図 (印刷物です) 隆起・侵食量の判読に役立つ、第四紀の段丘面が記載されています。
鉱物資源: 鉱物資源図 (印刷物です) 鉱物資源の位置と種類を、地質図上に示しました。
地質全般: 地質文献データベース 地質調査情報センターの収蔵文献のデータベースです。複写サービス利用可。
20万分の1日本シームレス地質図 日本全国の地質図を閲覧できます。第四紀層の分布あり。