省エネルギー研究部門

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熱利用グループ

省エネルギーと未利用エネルギーの積極的な活用による低炭素社会を実現するためには、種々のエネルギーシステムで発生する熱流体現象を解明し、エネルギーを極限まで活用する高度な熱利用・熱管理技術を確立する必要があります。このため、共晶物質探索を含む潜熱蓄熱技術開発、ナノスケール制御による沸騰・熱輸送技術開発や、革新熱流動可視化計測技術開発などの先導的基盤技術,計測・制御技術の開発から、排気再循環型SOFC、地中熱ヒートポンプを含む高度熱輸送システムなどのシステム開発、産業排熱実態調査に至るまで幅広く研究を実施しています。また、連携大学院運営を通じた次世代技術者養成にも尽力しています。
  1. 産業排熱実態調査
  2. 固体酸化物形燃料電池SOFCの高度熱利用技術に関する研究
  3. 沸騰二相流を用いた高性能熱輸送システムの研究
  4. 低温発電の研究
  5. 熱と流れの可視化・視える化
  6. 多孔質中のCO2ハイドレートに関する研究~二酸化炭素回収隔離(CCS)

研究課題

1. 産業排熱実態調査

環境中に排出される膨大な未利用熱を効果的に削減・回収し,必要な時にエネルギーとして利用する技術を開発し,省エネ・省CO2の促進を目指しています.社会に役立つ技術開発を行うにはニーズの的確な把握が不可欠です.熱利用グループでは,工場からの排熱について,アンケート調査・現地調査・文献調査を行っています.


2. 固体酸化物形燃料電池SOFCの高度熱利用技術に関する研究

固体酸化物形燃料電池SOFCの高度熱利用技術に関する研究

次世代の分散型エネルギーシステムとして期待されるSOFCを実現するため,SOFCの未利用燃料を含む排ガス再循環技術や,SOFC複合システムに関する研究開発を行っています.高温ガス循環用に開発した流量可変エジェクタを小容量型SOFC実機に搭載して発電実験を行い,SOFCの水自立運転を実証するとともに,発電効率向上を達成しました.

◆キーワード:分散型エネルギー,固体酸化物形燃料電池SOFC,排ガス再循環,エジェクタ


3. 沸騰二相流を用いた高性能熱輸送システムの研究

沸騰二相流システムは、潜熱輸送が主体であることから高い熱交換能力や熱輸送能力を有しており、冷却システムや熱輸送システムの高性能化を図ることができます。本研究では、気液界面挙動とそれに付随する圧力損失や熱伝達などの輸送現象の詳細解明と、これらを高度に制御する基盤技術の研究開発を行っています。高集積電子デバイスや車載用インバータ、大型半導体レーザーなどの高熱流束冷却や、工場でこれまで大量に捨てられていた低温排熱からの熱回収における小温度差熱交換や熱輸送システムなど、幅広い応用分野における省エネルギー化やCO2削減への大きな貢献が期待できます。

◆キーワード:高効率冷却,沸騰熱伝達,ナノ流体


4. 低温発電の研究

オーガニックランキンサイクルの構成

工場排熱や車両からの排熱、太陽熱、地熱などの比較的低温の熱源から電力を発生させる技術の需要は近年高まっています。規模や温度域に合わせた、膨張機、ポンプ、熱交換器等の要素機器の最適化を行い、可能な限り効率よく動力回収を行う研究を行っています。

◆キーワード:廃熱、排熱発電、廃熱、未利用熱、低環境負荷作動媒体、オーガニックランキンサイクル(ORC)


5. 熱と流れの可視化・視える化

流れの可視化適用事例~
潜熱蓄熱剤の凝固過程

氷点下~1200℃超までの温度分布の視える化を,燐光や蛍光を利用した可視化計測技術開発によって実現しています.感温性燐光粒子を開発し,これを流れのトレーサーとすることで,共通のハードウェア・画像から,流体の温度分布と速度分布を同時に視える化する手法を世界に先駆けて開発し,複雑形状をした熱交換器(水),燃焼器筒内ガス(気),潜熱蓄熱システム(固液)など多くの熱流動現象に適用してきました.特に気体の温度分布を視える化する方法は他になく,熱利用グループ独自の技術として,継続的な開発と社会への橋渡しを進めています.熱活用技術の開発・評価や,数値シミュレーションでは予測できなかった現象の解明に役立てるなど,エネルギーシステムの高効率化や信頼性向上に寄与しています.また,最近では,これらの技術を活かして,マイクロ流路内に旋回流を引き起こす熱制御型マイクロミキサーを開発するなど,新しい機器開発にもつなげています.

◆キーワード:燐光,蛍光,温度,速度


6. 多孔質中のCO2ハイドレートに関する研究~二酸化炭素回収隔離(CCS)

海底下地下CO2貯留の概念/CO2浸透率/
多孔質中におけるCO2ハイドレート成長速度

地球温暖化および海洋表層水の酸化などを引き起こす,大気中の二酸化炭素(CO2)濃度の上昇を抑制するため,海底下の地下にCO2を隔離する技術は,化石燃料燃焼による環境影響を抑制してエネルギーミックスの一部をなす.万が一,貯留層からCO2が漏洩した場合でも,高圧低温の海底では,CO2が堆積層中でクラスレートハイドレートを形成し,これがCO2自体の流束を抑制するバリア効果を持つと考えられる.本研究ではCO2の浸透率,成長速度など多孔質中におけるCO2の熱物質移動特性を実験により評価しています.

◆キーワード:クラスレートハイドレート,二酸化炭素,多孔質,CCS

メンバー

グループ長 稲田 孝明
メンバー 遠藤 尚樹   |   上山 愼也   |   馬場 宗明   |   染矢 聡(兼務)   |   平野 聡(兼務)
連携大学院研究室 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 
人間環境学専攻  低炭素工学システム学講座

最終更新日 2017.6.1