ナノ・メソ・マクロ解析により水素脆化の基本メカニズム解明し、耐水素脆化を有する高強度材料の開発指針を構築する。

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ニュース

HydroMate ラボ長 杉村 丈一(九州大学)ラボ長挨拶
HydroMate 副ラボ長 飯島 高志(産業技術総合研究所)
HydroMate 研究職  2名
HydroMate 事務職  1名
HydroMate ポスドク 1名
HydroMate テクニカルスタッフ 3名
HydroMate リサーチアシスタント 2名
HydroMate アシスタント 1名

目標と主な研究テーマ

   国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)は2017年1月11日に「産総研・九大 水素材料強度ラボラトリ」(AIST-Kyushu University Hydrogen Materials Laboratory; HydroMate)を九州大学と共同で設立しました。これは「まち・ひと・しごと創成本部」決定の政府関係機関移転基本方針を踏まえたものです。
   HydroMateは九大がもつ世界トップレベルの高圧水素ガス中でのマクロレベルの材料強度評価技術に基づく機械工学的な視点と、産総研がもつ水素環境中でのナノレベルの材料組織評価技術に基づく材料工学的な視点を融合し、水素の安全で経済的な利活用のため、水素用材料の脆化現象の解明とそれに基づく新規材料の開発を目指した基礎的研究を行います。さらに、産学官ネットワークを構築して、これら成果の民間企業への「橋渡し」を実現してまいります。  


 

図1 産総研・九大 水素材料強度ラボラトリ(HydroMate)


 

水素材料強度ラボラトリで行う主な研究

水素が各強化機構に及ぼす影響のミクロスケール解析
   材料の巨視的な強度特性には、固溶強化、転位強化、析出強化や粒界強化などの種々の強度機構が重畳しています。材料の巨視的な強度特性に及ぼす水素の影響を明らかにするためには、個々の強度機構に及ぼす水素の影響について明らかにしておく必要があります。本研究では、ナノインデンターや微小硬さ試験機などを用いて種々のスケールの変形挙動に及ぼす水素の影響について評価し、各強化機構に及ぼす水素の影響について検討しています。

マルチスケール解析にもとづく析出強化材の水素脆化メカニズム解明
   析出強化処理は材料強度を劇的に向上させる一方で、材料の水素感受性を高めてしまうケースがあります。そこで水素の影響を受けない高強度金属を開発するため、種々の析出強化金属の引張特性や疲労き裂進展特性に及ぼす水素の影響について調査するとともに、き裂の進展挙動をSEM/EBSDを用いて詳細に観察し、マルチスケール解析により析出強化材の水素脆化メカニズムを解明することを目指しています。

アルミ合金中への水素侵入に関するナノメゾマクロ解析
   アルミ合金中への水素侵入に関する基礎研究として、昇温脱離分析(TDA)や二次イオン質量分析(SIMS)を用いて、アルミ合金中での水素の存在状態について検討している。TDAによるバルク水素量の測定やトラップエネルギーの算出、並びにSIMSを用いた局所水素分析から、アルミ合金中での水素の存在状態について詳細な検討を行っています。

有限要素法を用いた水素拡散-弾塑性連成解析
   水素による疲労き裂進展の加速現象を把握するためには、き裂近傍での水素濃度分布の定量的な理解が不可欠であると考えられます。しかし、水素拡散特性は塑性ひずみ量や静水圧によって異なるため、き裂近傍での水素濃度分布は複雑です。本研究では、有限要素法を用いた水素拡散-弾塑性連成解析により、き裂近傍での水素濃度分布の定量的評価を実施し、水素による疲労き裂進展の加速を支配する因子を明らかにすることを目指しています。

九州大学伊都キャンパス
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