セラノスティックデバイス研究グループ

診断と治療を融合する次世代の医療機器=セラノスティックデバイスの技術開発と、それを迅速に社会に普及させるための評価体系=レギュラトリーサイエンスを創出します。

セラノスティクスとは

セラノスティクス(theranostics)とは「治療の」(therapeutic)と「診断の」(diagnostic)を組み合わせた造語で、「診断と治療の融合」を意味します。セラノスティックデバイスは、その簡便さなどによりポイントオブケアを変える事が期待されています。
私たちは、
・非侵襲診断・エネルギー治療機器のための超音波・X線技術・MRI・光学
・低侵襲デバイスのためのロボット技術・生体力学
・これらの有効性・安全性・使い勝手などの評価技術・標準化活動
をコアとして、次世代医療機器の開発とその迅速な薬機法承認・上市に貢献します。

レギュラトリーサイエンスとレギュラトリーエンジニアリング

産総研はPMDA(医薬品医療機器総合機構)発足時から継続的に研究員を出向させてPMDA審査をサポートしています。セラノスティックデバイス研究グループは、4名の審査経験者を有しており、レギュラトリーサイエンスに基づく研究開発を進めています。
我が国の医療機器産業の国際競争力を強化するには「以下に迅速に開発・評価・承認するか」が死活的に重要です。私たちは研究開発に当たって「研究開発をライバルよりも早く進める工夫」を取り入れ、これを私たちのレギュラトリーエンジニアリングとしています。

研究紹介

超音波による診断・治療の融合デバイス

超音波は断層画像の中で最も安価かつ小型の装置で実現可能です。超音波画像による組織の弾性率その他の性状の計測デバイスと、集束超音波デバイスの開発を進めています。更に、これらを一体化して小型化したデバイス、一般向けにも使用可能になるような技術開発を進めています。

研究内容

針を使う極小侵襲デバイス

針穿刺は、低侵襲手術の究極といえます。針穿刺を安全・確実に行うデバイスを開発しています。穿刺の手応えを強調提示する手持ちデバイスや手術ロボットと、その基礎となる穿刺プロセスの微視的理解の研究を進めています。
また、低侵襲ロボットの開発に欠かせない、複雑機構の洗浄滅菌性の保証と確実な洗浄法に関するノウハウとインフラを持っています。

研究内容

金ナノ粒子による放射線治療の増感

金のナノ粒子にX線を照射すると、活性酸素(一重項酸素)が発生する現象を放射線治療に応用する研究を進めています。腫瘍集積性、細胞内標的指向性をもつ増感剤を開発し、増感効果を最適化する条件を明らかにします。
インフラとして超高解像度のX線CT装置、高精度のX線実験環境、また金ナノ粒子の細胞集積度の計測手法を持っています。

研究内容

in silico / in vitro 評価

古典的な医薬品・医療機器の評価では、動物実験を経てヒト臨床(治験)が行われてきました。長期間にわたる多額の費用を要するこれらの実験は、資本力の弱い企業には実施困難でした。経験と統計学に頼る帰納的な方法で、必ずしも合理的と言えないだけでなく、倫理上の問題を避けて通れないものでした。動物実験や治験は、極論すれば必要悪でした。
私たちは、動物実験と治験を廃絶したいと夢見ています。倫理の観点だけでなく経済合理性・産業競争力の観点からも、レギュラトリーサイエンスの究極の目標と考えます。
しかし現実には動物実験と治験を一気に廃絶することはできません。その第一歩として、計算シミュレーションを活用した医療機器評価=インシリコ(in silico)評価が始まっています。私たちは生体力学、生体光学、熱力学、流体力学、音場計算などの物理シミュレーションの研究を行ってきました。これに生体内での化学平衡や生理現象を加えたシステム生物学を加えた研究を展開しています。また、こうした計算と検証に欠かせないツールの普及と、in silico評価のガイドライン(手引き)の策定、計算では扱いにくいヒューマンファクタの人間工学実験(=治験に依らない実験)手法の普及にも努めていきます。
また、in silico評価に欠かせないのが適切な「検証」です。検証もin vitro実験などの代替実験の手法により迅速化する事を目指しています。

その他のインフラ・ノウハウ

私たちは、この他にも次のインフラやノウハウを有しています。

  • MRI対応メカトロニクス/2T高精度MRI(小動物)、3T全身用MRI(ヒト、大動物、機器等)
  • 各種生体力学計測/実験装置(引張,圧縮,粘弾性計測等
  • 漏れ電流・絶縁耐圧評価/テスター類
  • 耐電気手術器・耐除細動器評価/電気手術器(400W)、除細動器
  • 超音波音場の可視化、温度計測

メンバーと主な担当課題

研究成果 
氏 名    役 職

主な研究テーマ

G.S.

PAT

AIST

小関 義彦  研究グループ長

穿刺支援装置:穿刺の微視的理解、MRI対応ロボティクス

R

G.S.

PAT

AIST

永田 可彦  主任研究員

researchmap

超音波画像装置:押し付け力を使った変形解析・組織性状計測、画質改善

R

PAT

AIST

新田 尚隆  主任研究員

個人Webページ

超音波画像装置:超音波計測を応用した生体計測、弾性率計測、抗感染性発現

R

PAT

AIST

三澤 雅樹  主任研究員

個人Webページ

X線物理学と放射線医学:金ナノ粒子による放射線治療の増感、途上国向けX線CT装置

R

PAT

AIST

葭仲 潔   主任研究員

個人Webページ

集束超音波治療器:最適設計・開発、薬剤併用の精密治療、ナノバブル

PAT

AIST

鷲尾 利克  主任研究員

個人Webページ

生体力学・数値計算:MRエラストグラフィ、ウォータジェットメス

R

G.S.

AIST

高木 亮   研究員

超音波治療/診断器:治療モニタリング技術、組織性状計測、治療増強技術

R

G.S.

AIST

橋村 圭亮  研究員

超音波治療技術とレーザー治療技術:レーザー生体物理、増感剤を利用した超音波治療

<研究成果の凡例>   [自動検索システムを使用] 検索結果には若干のノイズが入る場合があります。

AIST

産総研データベース:

PAT

産総研特許情報:

G.S.

Google Scholar:

R

ResearchID:

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研究グループ紹介