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チームの紹介

チャレンジドチームの紹介


所内全体の障害者雇用を担う新たな部署として、平成20年3月、能力開発部門(現人事部)に「バリアフリー推進室」を設置した後、つくばセンターにおける知的障害のある方の雇用促進を目的として、平成20年6月、バリアフリー推進室に「チャレンジドチーム」を設置しました。

チャレンジドチームは、つくばセンター内の事務用品のリユース作業や各部署から依頼を受けた書類の封入作業などの事務補助業務や会議室の清掃などの環境整備業務を行っています。

 


チャレンジドチームの雇用形態①



● 中央事業所6群

身  分:契約職員
勤務態様:週30時間勤務
     (月曜日から金曜日までの週5日勤務)
勤務時間:月・水~金曜日 8時45分から16時00分まで(6時間15分/日)
       火曜日   8時45分から14時45分まで (5時間/日)
休憩時間:12時00分から13時00分まで
勤務場所:事務補助作業;つくばセンター 中央事業所6群 6-9棟1階 バリアフリー推進グループ
            依頼元が指定する場所(つくばセンター各事業所)
     環境整備作業;受注した作業を行う場所(つくばセンター各事業所)
雇用期間:有期雇用2024年3月末(契約更新の可能性あり)
     無期雇用
報  酬:月額120,960円 (時間給960円)
     (平均勤務時間の6時間/日、月21日勤務で計算、通勤手当を除く)
そ の 他 :年次休暇付与、通勤手当支給、労働保険・共済保険加入

チャレンジドチームの雇用形態②


 チャレンジドチーム員が採用に至るまでの流れ
 


チャレンジドチームの雇用形態③


 雇用契約を結ぶ際には、雇用契約書の内容を本人と保護者に説明し、本人に署名をしてもらっています。また、産総研の規程類は表現が難しいので、「産総研のルールや約束事」という文書を契約時に本人へ渡し、説明しています。

 
 障がい者のイベントで
新聞紙エコバッグ
地図封筒を配付

 「産総研のルールや約束事」の項目
    ①通勤のときの約束について
    ②出社時間と始業時間などについて
    ③仕事中の約束について
    ④安全管理について
    ⑤体調不良で職場を休むとき、遅刻しそうなときの連絡について
    ⑥有給休暇について
    ⑦病気休暇について
    ⑧給料について
    ⑨診療所などについて
    ⑩困ったときに相談できる人について


● 職場指導員へ「職場指導員の業務等について」、「職場指導員の1日の業務指導について」という文書を配付し、指導方法の統一が図れるようにしています。


チャレンジドチームのフォローアップ


 申し送りを毎日実施
    作業中の様子の報告
       問題はすぐに対応を検討し翌日以降の作業に適用する
    目標の検討
       ひとりひとりの特性に合わせた作業の割り当てをし、より能力の向上を目指す

 ケース会議の実施
    課題が発生職場内での解決の可否を仕分け支援機関の援助が必要
       課題解決に向けたケース会議を実施

 反省会の実施
    新たな気持ちで新年を迎えようという意味で、毎年12月に実施
 

 個人面談の実施
    期中の面談
       年度内に作業評価と翌年度の『年間目標』、生活状況の確認を行う
    契約更新時の面談


チャレンジドチームの業務の流れ


・チャレンジドチームは『作業予定表』をもとに、日々の業務を行っています。
・チーム員は毎朝行う『朝礼』で予定表の内容の確認と各自の目標を確認して担当する業務につきます。

   


チャレンジドチームの教育


 あいさつは基本。『オアシス』の実行で、毎日、気持ちよく仕事をする
    おはようございます
    ありがとうございます
    失礼します
    すみません

 『ほうれんそう(報告・連絡・相談)』の励行で失敗や事故を防ぐ
    大切なことはみんなが知っておくことが重要

 仕事に取り組む上での基本的な姿勢の意識付け
    職場では上司である指導員の指示を素直な態度で聞き、きちんと守る
    マニュアルに書いてあるやり方を勝手に変えない
    仕事で分からないことがあるときは、指導員に聞く
    指導員から注意を受けたら、言い訳をせず素直に聞き、次に生かす

 社会人としてのルールとマナーの教育は、ビジネスマナー講習会の開催、『職場のルールとマナー(JEED編)』等の活用を行っている

 月間目標と作業目標を設定し、作業能力維持と作業意欲の向上を図る


バリアフリー推進グループ チャレンジドチーム 業務と作業の様子
 



     
 一般公開資料の封入作業 所内連絡便封筒のリサイクル チューブファイルのリサイクル
     
     
 新聞紙エコバッグ制作 会議室の清掃 つくば本部棟脇の歩道清掃
     
     
 地図リサイクルミニエコバッグ制作 廃棄書類のシュレッダー作業 封筒の封入作業



チャレンジドチームの指導員の声



 彼らこそが、生き方の指導員。日々一緒に仕事をしていますが、生き方に関しては、彼らのほうが素晴らしい指導員だと思います。
 ある日の午後、依頼を受けた仕事が終わって、事業所に戻る途中、どんな話題について話をしたのか覚えていませんが、20代前半の若い彼の一言が忘れられません。
 「お金より身近な幸せが大切です。」 読書好きで、昼休みにはいろいろな本を読んでいる彼の一言。自分よりはるかに若い彼の言葉にハッと気づかされました。
 彼らはいつもフラットですが、こだわりの強さは宮大工のような職人気質があります。私が担当しているリサイクルメモ帳の作成では、一人の男性が毎週作成しています。しわ1つ1つが深い味わいを感じる作品のようです。
 今年も一般公開は行われず、多くの方々にお渡しする機会を失ってしまいましたが、来年度開催された時には、エコバックと同様に手に取ってほしいと思います。


 バリアフリー推進グループ チャレンジドチームでは、知的・発達障害をもつチーム員が、産総研の環境整備や事務補助業務を担っています。その中で、今回私が紹介する業務は、9月末頃~年末にかけて行われている『歩道清掃』です。
 『歩道清掃』とは、チーム員・指導員・シニアスタッフが一丸となって落ち葉や銀杏を掃き集め、歩道やその周辺の環境を整備する業務です。
 産総研の秋の風物詩といえば、正門~内周道路にかけて続く銀杏並木。ひらひらと舞う銀杏の葉っぱと、歩道や法面に広がる黄色い絨毯が印象的ですよね。
 一方で、黄色い絨毯が広がる歩道は滑りやすく、転倒の危険性もあります。産総研に勤務・来所される方たちの安全確保を目指し、定期的な『歩道清掃』が行われています。
 季節が移ろうに連れて寒さが厳しくなり、大変だなぁと思うときもありますが、自然の中で身体を動かすことを通して感じられる心地よさが『歩道清掃』の醍醐味であると考えます。


 ずいぶん前の事ですが、バリアフリー推進グループのチーム力を誇りに思えた出来事があります。
 蒸し暑い会議室で、その日は朝から何千もの数の冊子組み込み・封入業務でした。昨今の同業務に比べ、当時は組み込む文書数も多い上に冊子が分厚く重いため負担も大きかったです。
 退勤時間ギリギリまで皆「全集中」でへとへとになりながら頑張り完了させたその後に、何ともう組み込み済みの全冊子の差し替え命令が!!!
 差し替え作業をするにも、分厚い冊子が10冊ずつ梱包された重い重い包みが運び込まれたのは別の部屋。その何千冊もの包みをまずは作業していた会議室まで運び入れなければなりません。
 誰に吐いたら良いかもわからない不満を飲み込みながら、汗びっしょりの私達は全員で部屋と部屋とを繋ぐように並びました。そして1つ10㎏位はありそうな冊子の包みを、ラグビーボールのように次の人にパスをして移動させていったのです。右から左へ「はいっ!はいっ!」と。腕は痛く首振りも忙しく目が回りそうでした。
 でも、ほとほと疲れ果てているはずなのになぜかみんな笑顔でした。思いがけず始まったラグビーゲームさながらの展開にワクワクして、みんな笑ってしまっているのです。
 『ONE TEAM』がうれしくて仕方ない!そんな感じの笑顔でした。
 あの時のチーム員さん達の無垢な笑顔が忘れられず、それを支えに微力ながら現在も指導員を続けさせていただいている気がします。
 ただ、今もムードメーカー的存在のNさんが包みをキャッチしながらよろけてパスをし損ね隣の私の足の上に思いきり落下させた、あの足の痛みも忘れられません (笑)。


 チャレンジドチームではチャレンジド(障がいを持つ方)が様々なお仕事に取り組んでいます。障がいと言ってもそれぞれ特性があり、健常の方と同じように個性もあります。チーム員の皆さんは得意な作業も苦手な作業も頑張っていますが、指導員としては特性や個性を把握したうえで、教えることより自ら気づくことができるようにサポートし、出来る限りのことを本人の力で乗り越えていけるよう見守りながら指導しています。
 例えば何か用具の準備を忘れてしまった、清掃作業で汚れが残っている、などの場合においてただ指摘するのではなくあえて遠回しに伝えたりヒントを与えています。そして自らの気付きを繰り返すことで自分の能力として獲得していけることを期待しています。時には今まで出来ていたことが出来ないということもありますが、長い目で見てその経験を繰り返すことで成長や頼もしさを感じることができます。