特許番号 | 第2099139号 |
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出願番号 | 特願平4-285095号 |
出願日 | 平成4年(1992)9月30日 |
発明者 | 鈴木良和、 下川勝義、 植田芳信、 相沢正之、 笹森政敬 |
出願人 | 工業技術院長 |
特許権者 | 工業技術院長 |
発明の目的: 質の高い微小重力場を効果的に利用して、極めて短時間の間に金属系物質を 急速加熱して溶融状態となし、且つ急速冷却により凝固状態を導いて所望の材料を創製しうる微小重力場での 金属系材料の溶融・凝固方法及び装置の提供を目的としている。
発明の効果: 金属系物質を収容した試料容器を真空封入手段中に鉛直方向に移動可能な装置を用い、 落下カプセルの落下開始直前に該試料容器中の該金属系物質の融点近傍まで予熱し、 カプセル落下と同時にトリガー熱量を供給して急速加熱することにより、短時間の微小重力場の下で 該金属系物質を溶融出来、その溶融状態を一定時間保持した後熱量供給を停止することにより、 微小重力場で溶融体を冷却・凝固させカプセルの着地直前に加わるか重力を駆動力として 該試料容器を該真空封入手段内の下方の低温部に移動出来ると共に該過重力を利用して 冷媒を該試料容器に噴射させて冷却を急速に促進できる。
発明の概要: 微小重力場を効果的に利用し、短時間の間に金属系物質を急速に加熱して溶融し、 且つ急速冷却により凝固して所望の材料を創製し得る技術を提供する。図1に示す装置の構成と 図2に示す実施例の試料温度変化と重力変化の下で、Ti-Ni系及びTi-Fe系の多孔質金属間化合物を 作製することが出来、従来の製品に比べて機能性の優れた材料を得ることが出来る。
図面:
図1 | |
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1 試料容器 2 試料(金属系物質) 3 錘 4 内部ヒーター(トリガー熱源) 5 真空封入石英管 6 熱電対 7 内部ヒーター用素線 8 外部ヒーター 9 冷媒 10 冷媒ボンベ 11 錘 12 噴出口 13 排気口 |
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図2 | |
1 外部ヒーターによる昇温 2 内部ヒーター 3 試料の着火 4 試料の溶融 5 試料の凝固開始 6 試料の凝固 |
関連文献:
(1)燃焼合成を利用した急熱・急冷による複合合金の生成,鈴木,下川,植田:
第2回短時間無重力利用に関する講演会講演集、p59(1993)
(2)Micrograbity Experiment on SHS Reaction of Ti-Ni Intermetallic Compound by Using a Drop Shaft,
鈴木,下川,植田:International Journal of SHS, 3(2),p155(1994)
(3)Preparation of a Ti-Ni Intermetallic Compound by Using a Drop Shaft,
Y.Suzuki, K.Shimokawa, Y.Ueda, J.Nagao: Design Fundamentals of High Temperature Composites,
Intermetallics and Metal-Ceramics Systems, p201(1996)
(4)微小重力場を利用した燃焼合成法によるTi-Ni化合物の創製に関する研究,鈴木、下川、植田:
粉体および粉末冶金、44(06),p523(1997)