産総研北海道センター特許情報

発明の名称: 緩効性ケイ酸肥料の製造方法

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特許番号第1604743
出願番号特願平2-88485号
出願日昭和63年(1988)9月21日
発明者山田 勝利、 緒方 敏夫、 野田 良男、 中川 孝一、 原口 謙策、 石橋 一二
出願人工業技術院長
特許権者工業技術院長

発明の目的: 従来、緩効性ケイ酸肥料(緩効性ケイ酸カリ肥料)の製造方法について種々研究がなされてきたが、 いずれの方法もアルミニウムを含有するフライアッシュ、鉱滓類等をケイ酸原料としている。 アルミニウムは、リンの不活性化やカルシウム、マグネシウムの吸収抑制を起こす。 また、茶木等特定の好酸性や耐酸性植物を除いて、その毒性が重用視され、 植物に対する酸性障害の一因とみなされており、一般の植生には有害元素の一つである。 従って、アルミニウムを含有しない、あるいはその含有量が極めて微量の緩効性ケイ酸肥料製造法を提供する。

発明の効果: 本法で製造する緩効性ケイ酸肥料は、従来のケイ酸肥料とは異なり、 植生に有害なアルミニウム成分を実質的に含有せず、アルミニウム害を生じることがないものである。 また、緩効性を有するので、植物が根から分泌する弱酸によって溶解され、吸収される。

発明の概要: 籾殻(ケイ酸成分)、ドロマイト、カリウム化合物、必要に応じて酸化鉄等を原料として、 さらにバインダーを添加して混練・造粒・乾燥後、850〜900で焼成して籾殻中のケイ酸、 ドロマイト中のカルシウム、マグネシウムおよびカリウム等の各成分を反応させ、 Ca2SiO3,K2CaSiO4,K2MgSiO4等のケイ酸化合物を主成分とする緩効性ケイ酸カリ肥料の製造法を提供する。 籾殻中の無機成分は98〜99%がシリカ成分であり、アルミニウムは含有しない。 また、このシリカ成分は非晶質であり非常に反応性が高い。

表:

全カリ(wt%)
ク溶性カリ(wt%)
ク溶性カリ生成率(%)
19.3
15.4
72.5
全ケイ酸(wt%)
可溶性ケイ酸(wt%)
可溶性ケイ酸生成率(%)
32.7
25.2
77.6