特許番号 | 第1518755号 |
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出願番号 | 特願昭57-60336号 |
出願日 | 昭和57年(1982)4月13日 |
発明者 | 佐藤 俊夫、 大越 純雄、 高橋 富樹、 北本 朝史、 森下 締三、 野田 茂行、 丹 務、 野口 宏史 |
出願人 | 工業技術院長、 光興業(株) |
特許権者 | 工業技術院長、 光興業(株) |
発明の目的: 水素同位体交換反応を工業規模で行う場合には、疎水性触媒のみを反応塔に充填し、 上部から水を、下部から水素ガスを供給すると触媒が疎水性のため水が触媒をぬらさず、 フラツデイングを生じたり、疎水性触媒上での水の分散が不十分なため高価な触媒の活性を十分に 生かしきれていない欠点があった。この欠点を解消して、水と水素間の水素同位体交換反応を促進し、 かつ疎水性触媒の活性を十分に活用することを目的とする。
発明の効果: 親水性部と触媒部からなる触媒構造体を充填塔内に規則的、かつ立体的に配置する。 これにより触媒構造体の親水部と触媒部とを規則的に配置する効果が得られ、緻密な水素同位体交換反応を 繰り返すことができ、触媒部に保有される水素同位体交換触媒が有する活性を十分に発揮することができる。
発明の概要: 水素同位体交換用構造体は、繊維状の親水性材料で形成したネットの空間に、 疎水性材料に担持した水素同位体交換触媒が配置されている。繊維状親水性材料はナイロン等の親水性合成繊維、 炭素繊維等の無機炭素繊維が用いられる。疎水性触媒部は帯状の疎水性材料に白金等を担持したものが用いられる。 触媒構造体を充填塔に規則正しく配置するには、構造体を紐状、リボン状、 多孔質のチューブ状等の繊維状形状としたり、あるいはこれらを編織してシート状として用いる。
図面:
第1図に示すように、直径1mmのナイロン紐を4mm目の正方形の編み目Aを有するポリエチレンネットに
横に各目当たり4本づつ2目毎に貫通させ、畳表状に織り込んだマット状にし、親水部とした。
また疎水性触媒部としては厚さ60μ、巾4mmの多孔質ポリ四フツ化エチレンにポーラスポリマーを
重量比で70%含浸、重合させ、洗浄後、常法により白金を2.5%担持させたリボン状のものを用い、
これを上記親水性部と同様に編み込んでマット状とした。これら親水性部と触媒部を重ね合わせて第2図に
示すように巻き込み、直径27mm、高さ500mmの円筒形の触媒構造体とした。
1 ナイロン紐 2 ポリスチレンネット 3 親水部 4 触媒部 A 4mm