産総研北海道センター特許情報

発明の名称:2・6-ジメチルフェノール類の合成法

特許番号第970140号
出願番号特願昭44-48824号
出願日昭和44年(1969)6月19日
発明者小谷川 毅、 山本 光義、 下川 勝義
出願人工業技術院長
特許権者工業技術院長

発明の目的: ポリ2・6-ジメチルフェニレンオキシドと称せられる耐熱高分子原料、 さらに、抗酸化剤、防カビ剤、変型フェノール樹脂等の原料として重要な物質となりつつある 2・6-ジメチルフェノールモノマーを低温低圧下で合成することを目的とする。

発明の効果: 気相接触反応を用いる方法が知られているが、この方法では反応温度が475〜600℃と高く、 操作や装置の点で問題があり工業的方法としては、満足すべきものとはいえない。本発明により、低温、 低圧のもと2・6-ジメチルフェノールを収率良く製造する方法について鋭意研究を重ね、 先に酸化亜鉛-酸化鉄系触媒を用いることにより、常圧下、300〜450℃という低温のもとで 2・6-ジメチルフェノールを得ることが出来る。
 また一般式 MFeO(M=Mg、Ca、Ba、Co、Ni、Cr、Cu)で表されるフェライト触媒系を用いた場合にも、 優れた効果が期待される。

発明の概要: マグネシウム、カルシウム、バリウム、コバルト、ニッケル、クロムまたは銅の酸化物と 酸化鉄からなる2元系触媒、あるいは酸化亜鉛と酸化銅と酸化鉄からなる3元系触媒を用い、 反応温度300〜450℃でメチルアルコールによりフェノール類のオルト位をメチル化することを特徴とする フェノール類の2-メチルおよび2・6-ジメチル置換体の合成法。

実施例: 一般式 MFeOで表されるフェライト触媒のMを変えてフェノールのメチル化を試験した。 メチルアルコール5部とフェノール1部から成る混合体を、350℃の触媒層を通過させて、表の結果を得た。

Mの種類 転化率 選 択 率
オルトフェノール 2,6-フェノール 2,4,6-トリフェノール
Mg60.765.633.70.7
Cr30.765.233.61.2
Co32.091.28.8 
Cu/Zn70.268.431.6