特許番号 | 第653986号 |
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出願番号 | 特願昭43-87569号 |
出願日 | 昭和43年(1968)11月27日 |
発明者 | 小谷川 毅、 山本 光義、 下川 勝義 |
出願人 | 工業技術院長 |
特許権者 | 工業技術院長 |
発明の目的: ポリ2・6-ジメチルフェニレンオキシドと称せられる耐熱高分子原料として、さらに、 抗酸化剤、防カビ剤、変型フェノール樹脂等の原料として重要な物質となりつつある 2・6-ジメチルフェノールモノマーを低温低圧下で合成することを目的とする。
発明の効果: 気相接触反応による合成法について種々の特許が報告されているが、 大部分はフェノー・メタノール系に酸化マグネシウムを触媒とする方法である。 中でも英国特許1034500は酸化マグネシウムを触媒として475〜600℃の反応温度で 2・6-ジメチルフェノール95%、2・4・6-トリメチルフェノール2.6%の 選択率を示す結果が報告されている。しかし、本発明の方法を用いるならば反応温度 300〜450℃という低温で合成出来、しかも、2・6-ジメチルフェノール95%以上、 およびそれ以外の生成物としては、2・6-ジメチルフェノールの前駆体となる オルト-クレゾールである。このため選択率においても前記英国特許より優れている。 また、酸化亜鉛-酸化鉄触媒を用いたフェノール又はオルト-アルキルフェノール類を、 メチルアルコールを用いて常圧下、接触メチル化を行うならば、95%以上の選択率で オルト位のメチル置換体が得られ、メタ位およびパラ位のメチル置換体はほとんど生成しない。
発明の概要: ジンクフェライトを含む酸化亜鉛-酸化鉄触媒を用い、反応温度300〜450℃という 低温でメチルアルコールによりフェノール類のオルト位をメチル化することを特徴とする フェノール類の2-メチルおよび2・6-ジメチル置換体の合成法。
実施例を以下に示すと、ZnO/Fe2O3の触媒層にフェノール(Ph)・メチルアルコール(Me)
混合溶液を窒素ガス流通下、350℃で通過させた。
反応温度 | 350℃ | 350℃ |
Ph・Me(モル比) | 15 | 10 |
フェノール反応率 | 98 | 96 |
オルトクレゾール | 6.3 | 12.7 |
2,6-ジメチルフェノール | 91.3 | 85.2 |
2,4,6ートリメチルフェノール | 1.7 | 1.2 |