産総研北海道センター特許情報

発明の名称:アルキルフェノール類の脱アルキルおよび異性化の方法

特許番号第610884号
出願番号特願昭42-63204号
出願日昭和42年(1967)10月2日
発明者小谷川 毅
出願人工業技術院長
特許権者工業技術院長

発明の目的: 酸化亜鉛を主とし、これに酸化鉄を加えた触媒を用い、水蒸気の共存下で気相反応を 行うことを特徴とする、アルキルフエノール類の脱アルキルおよび異性化の方法。

発明の効果: 酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の固体酸型触媒を用いる従来法に比べ、 脱ヒドロキシル反応による中性油の生成、不均化反応による高沸点フエノール類の生成等、 望ましくない副反応を抑制して、反応生成物に選択性を持たせることが可能となった。

発明の概要: 酸化亜鉛を主とし、これに酸化鉄を加えた触媒を用い、水蒸気の共存下で反応を行うと、 常圧下でも充分その目的を達成するが、高圧下であれば反応速度が大きくなり、触媒寿命も永くなるため、 より効果的である。反応系の雰囲気は、水蒸気に加えて適当な排出ガスを共存させると、 反応系を希釈すると共にその流れを円滑にし、局部的な炭化現象を防止する等の理由から効果的である。 また、水蒸気を共存させることによって次のような効果が得られた。
 (1) 反応生成物に選択性を持たせることができる。
 (2) 触媒表面での反応物の分圧を下げることになり、その結果、脱ヒドロキシル反応を抑制することができる。

図面: 実施例1

(注)ROH=2・4-キシレノール
実験番号 1 2 3 4
触媒組成 酸化亜鉛(モル%) 90 90 90 90
酸化鉄(モル%) 10 10 10 10
反応温度(℃) 431 460 482 503
液収率(%) 94.0 89.8 98.2 91.5
W/F( kg・h / mol-ROH ) 0.08 0.08 0.08 0.09
水蒸気量(モル / 時間) 0.45 0.47 0.48 0.45
水蒸気 / ROH(モル/モル) 9.0 9.4 9.6 10.1
反応生成物(モル%)        
ベンゼン ----
トルエン -2.23.30.5
メターキシレン -1.11.2-
フェノール --0.5-
オクト-クレゾール -0.3--
パラ-クレゾール 6.516.421.17.5
2・6-キシレノール ----
2・4-キシレノール 89.774.769.090.5
2・4・6-トリメチルフェノール 3.84.24.81.5