産総研北海道センター特許情報

発明の名称:繊維状ケイ素化合物の連続式製造方法

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特許番号第2517854号
出願番号特願平3-229634号
出願日平成3年(1991)8月16日
発明者下川 勝義、 関口 逸馬、 鈴木 良和、 植田 芳信
出願人工業技術院長
特許権者工業技術院長

発明の目的: 繊維状(又はウィスカー)の炭化ケイ素及び窒化ケイ素は、製造技術的な問題から、 連続的大量生産が出来なかった。また、生成した繊維は、収率が悪かったり、不純物の混入や結晶化度が低く、 高純度の単繊維が得られなかった。この欠点を解決するために、籾殻炭化物を原料として、 不活性ガス中(Ar)又はN2ガス存在下、あるいは、これらのガスにH2を添加した系で 1300℃以上の加熱帯域中を連続的に移動させることにより高純度で高収率の繊維を製造することを目的とする 繊維状炭化ケイ素、窒化ケイ素の製造方法を提供する。

発明の効果: 加熱帯域中に原料を連続的に移動することにより、反応速度が一定となり、短時間の反応で、 高品質の繊維状ケイ素化合物の収率が向上する。原料中のH2とCによる中間生成物である炭化水素の 生成及び不純物である微量金属元素等が繊維成長速度を速めると共に、反応後の不純物は系外に除去される。 また、SIC合成に於いては、添加したH2により過剰な炭素が消失し、後処理が簡単になるなど、 工業的規模の連続的合成が可能である。

発明の概要: 系外と断絶している耐熱性反応管の中に、耐熱性容器に充填した籾殻炭化物を 不活性ガス(Ar,N2)及び水素添加の存在下で、1300℃以上の加熱帯中を連続的に移動させる。 不活性ガスあるいは反応ガスは原料の進行方向と逆に流れており、反応生成ガス及び不純物は系外に除去される。 反応容器は比較的低温部に於いて、ワイヤーまたはセラミックス棒にて所定時間を、引か又は押して移動させる。

図面:

付図 1 電気加熱管状炉
2 反応管
5 ガス導入管
6 ガス排出管
8 ワイヤー
9,10 容器
12 ワイヤー巻取機

関連文献:
1)下川勝義 他3名、籾殻炭化物を原料とする繊維状ケイ素化合物の合成、
  北海道応用地学合同研究会 論文集 第2号 26〜  (1991)

2)植田芳信 他6名、籾殻炭化物を原料とするケイ素化合物の製造と焼結試験、
  北海道応用地学合同研究会 論文集 第3号 165〜 (1992)