産総研北海道センター特許情報

発明の名称:多孔性シリカ-炭素複合体及びその製造方法

特許番号第2506600号
出願番号特願平4-285096号
出願日平4(1992)9月30日
発明者石橋 一二、 山田 勝利、 野田 良男、 横田 祐司、 熊本 進誠、 高橋 芳恵、 小松 和史、 桑垣 整
出願人工業技術院長、 三友プラントサービス(株)、 北越炭素工業(株)
特許権者工業技術院長、 三友プラントサービス(株)、 北越炭素工業(株)

発明の目的: 本発明は、ケイ素集積バイオマスを原料とする新規な多孔性シリカ-炭素複合体及び その製造法に関する。

発明の効果: 本発明の多孔性シリカ-炭素複合体は、未アルカリ処理体で900ー1000m2/g 、 アルカリ処理体で2000ー4000m2/gという極めて大きなBET表面積を有する。 このため、吸着剤や公害防止材として利用できる。本材料は籾殻等のケイ素集積バイオマスを原料として 製造されることから、安価であるという利点がある。

発明の概要: 本発明は、籾殻等のケイ素集積バイオマスの炭化物とアルカリ金属化合物との混合物の焼成体、 或いは焼成体からアルカリ金属分を溶出除去して製造される高表面積を有するケイ素-炭素複合体と その製造法に関する発明である。籾殻等のケイ素集積バイオマスにアルカリ金属化合物を混合して 80-300℃で熱処理して炭化した後、300℃以上の温度で焼成し、回収される焼成物を水洗する方法で製造される。 また、アルカリとして水酸化ナトリウムを使用すれば、副産物に水ガラスを得ることもできる。

実施例を示すと、
 籾殻を500℃で処理した炭化物を苛性カリと混合して800℃で10分熱処理した後、 珪酸とカリウム分を水洗除去した。得られた乾燥品はBET表面積3500m2/g、 メチレンブルー吸着量950m2/g の性能を示した。
 また、稲わらを2ー10mmに切断後500℃で炭化した後、苛性カリを加えて800℃で熱処理した。 この熱処理体を水中に浸し煮沸してケイ酸カリ、アルカリを除去した。乾燥体はBET表面積2022m2/g、 メチレンブルー吸着量720m2/g の性能を持つものであった。
 高性能な多孔体の製造が実証されている。