産総研北海道センター特許情報

発明の名称:炭化珪素/金属珪素複合体及びその製造方法

特許番号第2099125号
出願番号特願平3-188191
出願日平成3年(1991)7月2日
発明者奥谷 猛、 中田 善徳
出願人工業技術院長
特許権者工業技術院長

発明の目的: 耐熱性、耐衝撃性及び耐酸化性に優れた炭化珪素複合体及びその製造方法を提供する。

発明の効果: 1414℃までの酸化雰囲気下で安定なSiC-Si複合体を容易に製造することができる。 本発明のSiC-Si複合体は、耐熱性及び耐酸化性に優れ、しかも、耐熱衝撃性にも優れていることから、 高温燃焼触媒構造支持体、ジーゼルエンジン用排ガス浄化触媒構造支持体、ジーゼルエンジンから排出される パティキュレート捕集用フィルターなどに利用することができる。

発明の概要: 表面が金属珪素で覆われた炭化珪素が該金属珪素を介して一体に接合している構造を有する 炭化珪素/金属珪素複合体であり、炭化珪素と金属珪素と有機溶媒からなるペースト状混合物を成形、 有機溶媒除去し、該金属珪素の融点以上、該炭化珪素の融点以下で加熱して該金属珪素を溶融させた後、 冷却することによって炭化珪素/金属珪素複合体を製造する。

図面:
 ペレット、ハニカムを酸素気流中、1200℃及び1300℃で1〜30時間処理し、重量変化を調べた。  その結果を第1表及び第2表に示した。重量変化が少ないほど酸化反応が抑制されている。

第1表
ペレット、ハニカムの
SiC/Si重量比
反応時間(hr)
1 2 3 5 10 15 20
ペレット, SiC/Si=1.0 1.9 2.1 2.2 2.5 3.1 3.3 3.3
ペレット, SiC/Si=0.67 0.6 0.6 0.7 0.8 0.9 0.9 0.9
ペレット, SiC/Si=0.5 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1
ハニカム-I, SiC/Si=0.5 0.1 0.1 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2
ハニカム-II, SiC/Si=0.5 0.1 0.1 0.1 0.2 0.2 0.2 0.2
ペレット, 市販SiC/Si=0.67 3.6 4.3 4.9 5.7 6.8 6.9 6.9
市販SiC/Si=0.5 0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 1.1 1.1
籾殻SiC粉体 39.0 - 47.0 48.0 - - -


第2表
ペレット、ハニカムの
SiC/Si重量比
反応時間(hr)
1 2 3 5 10 15 20 25 30
ペレット, SiC/Si=1.0 4.0 4.3 4.6 5.1 6.1 6.4 7.2 7.8 8.5
ペレット, SiC/Si=0.67 1.2 1.3 1.4 1.5 1.7 1.9 2.0 2.1 2.0
ペレット, SiC/Si=0.5 0.4 0.5 0.5 0.6 0.8 0.9 0.9 1.0 0.9
ハニカム-I, SiC/Si=0.5 0.5 0.7 0.7 0.7 0.9 1.0 1.1 1.1 1.1
ハニカム-II, SiC/Si=0.5 0.4 0.7 0.7 0.8 0.9 1.0 1.0 1.0 1.0
ペレット, 市販SiC/Si=0.67 5.5 6.7 7.7 9.3 12.0 12.4 14.1 15.2 16.1
ペレット, 市販SiC/Si=0.5 1.4 1.8 2.0 2.2 2.6 2.8 2.9 2.9 2.9