特許番号 | 第1995926号 |
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出願番号 | 特願平1-115799号 |
出願日 | 平成1年(1989)5月8日 |
発明者 | 鈴木良和、 下川勝義、 鵜沼英郎、 植田芳信、 佐藤亨司、 河端淳一 |
出願人 | 工業技術院長 |
特許権者 | 工業技術院長 |
発明の目的: ニッケル粉末とチタン粉末との混合物の圧縮体を、あらかじめ該圧縮体が自己発熱溶融を生じる直前の 温度まで加熱した後、得られた熱処理生成物を必要に応じて冷却した後、得られた溶融合金を急速に冷却し、 固化することによって多孔質チタン/ニッケル合金が得られる製造方法の提供を目的としている。
発明の効果: 従来製造困難であった多孔質チタン/ニッケル合金として、密度4〜6g/cc、表面部には内部に連通する 直径0.5-200μmの微細孔を多数有し、内部にも個々に分散した気孔を多数有するものが容易に得られ、しかも溶融合金化に 必要な熱エネルギーは自己発熱により補給されるので、本法は省エネルギー的にも優れている。
発明の概要: 溶融合金化に必要な熱エネルギーを自己発熱で補給して省エネ化と同時に、反応温度及び発生ガスの発泡量や 反応性の調整で均質且つ多孔質なチタン/ニッケル系合金を得ることが特徴である。この多孔質合金は形状記憶合金として 従来のものより軽量且つ容易な加工で変形量を大きく出来る素材になることを可能にした。
Ni-Tiの割合 (原子%) |
酸素含有量* (gr) |
水素含有量* (gr) |
発熱量 (cal/gr) |
実測到達温度 (℃) |
48-52 | 2.73×10-3 | 8.0×10-4 | 27 | 1220 |
50-50 | 2.68×10-3 | 7.6×10-4 | 26 | 1120 |
56-44 | 2.55×10-3 | 6.7×10-4 | 23 | 1180 |
*圧粉体2.5gに対する含有量を示す。
関連文献:
1) Ti-Ni合金化のための自己発熱溶融条件とその特性、鈴木、下川、鵜沼
粉体および粉末冶金、 36(6),p707(1989)