特許番号 | 第1838389号 |
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出願番号 | 特願昭62-300428号 |
出願日 | 昭和62年(1987)11月27日 |
発明者 | 鵜沼 英郎、 鈴木 良和、 関口 逸馬、 河端 淳一、 矢部 勝昌、 山口 義明、 下川 勝義、 植田 芳信 |
出願人 | 工業技術院長 |
特許権者 | 工業技術院長 |
発明の目的: ケイ酸エステルを出発原料とする溶液が紡糸可能なほどに粘調になる時間を短縮し、溶液の温度、 雰圃気の湿度および水の含有量を厳密に制御しなくても紡糸可能な時間を長く保ち、原料を有効に使用して作業効率よく シリカガラス繊維を製造する方法の提供を目的とする。
発明の効果: 水を加えたケイ酸エステルにアルキルシリル化剤を加えると紡糸出来る時間は充分長くなるために、 従来よりも多くの水を加えることにより溶液が粘調になる時間を短縮することが出来る。 さらにここで得られるシリカゲル繊維は、空気中あるいは酸素中等の酸化性雰囲気中で加熱されると、 アルキル基の部分が燃焼によって失われ、さらに繊維が熱によって焼き固まリシリカガラスの繊維となる。
発明の概要: ケイ酸エステルと水を原料とし、これにアルキルシリル化剤を加えて紡糸可能な時間を長く保ちながら シリカゲル繊維が製造出来ることを特徴とし、さらにこの繊維を酸化性雰囲気中500℃以上に加熱すると断熱材、 防音材や触媒担体として優れたシリカガラス繊維が製造出来る。
Si(OCnH2n+1)4で表される物質はケイ酸エステルと呼ばれる液体であるが、
これは(1)式のように加水分解をうけるとともに(2)式のように重合する。
アルキルシリル化剤は(3)式から(5)式に示すような反応(シリル化反応)をし、シリル化された部分はもはや
加水分解あるいは重合をすることなく長時間安定になる。
ここでRはCnH2n+1またはHを表す。