特許番号 | 第1828373号 |
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出願番号 | 特願平2-139071号 |
出願日 | 平成2年(1990)2月19日 |
発明者 | 鵜沼英郎、 鈴木良和 |
出願人 | 工業技術院長 |
特許権者 | 工業技術院長 |
発明の目的: 従来の結晶化ガラスの問題点であったβ-石英固溶体からβ-スポジューメンへの変化をより高温側へ移動させるか 又はその変化を無くし、また核形成剤の添加及び核形成のための熱処理が不要な低熱膨張性結晶化ガラスの提供を目的としている。
発明の効果: 本法による低熱膨張性結晶化ガラスは、金属アルミニウムや金属シリコンのコロイドが核形成剤として働くために、 核形成のための熱処理を必要とせず、又窒素含有β-石英固溶体が析出するために従来品よりも高温での使用が可能になる。
発明の概要: 酸化リチウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化アルミニウム及び/又は窒化ケイ素を主成分とする 結晶化ガラスが得られ、窒素含有β-石英固溶体が主な結晶相として析出していることを特徴とする低熱膨張性結晶化ガラスを 提供する。
実施例:
酸化リチウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素をLi2O・
0.7Al2O3・0.6AlN・3.7SiO2・0.1Si3N4となるように混合し、
窒素雰囲気中1600℃で4時間加熱してガラスとした。次にこのガラスを窒素雰囲気中毎分10℃で100℃まで昇温し、この温度に4時間
保持して結晶化させた。析出結晶相は、窒素含有β一石英固溶体であり、熱膨張計数は、1×10-7/℃であった。
さらにこの結晶化毎分10℃で1200℃まで昇温し、この温度に24時間保持したところ、析出結晶相は窒素含有β-石英固溶体の
ままであり、熱膨張計数も-1×10-7/℃であった。ガラスを結晶化させる途中に、核形成のための熱処理を
行わなくても、ガラス内部から均一に結晶化が進行するため、ひび割れ等は入らなかった。