特許番号 | 第1798151号 |
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出願番号 | 特願昭62-93760号 |
出願日 | 昭和62年(1987)4月15日 |
発明者 | 鵜沼 英郎 |
出願人 | 工業技術院長 |
特許権者 | 工業技術院長 |
発明の目的: ゾル・ゲル法におけるシリカガラス作成中の割れをなくし、大型形状のシリカガラスを 効率的に製造する方法。
発明の効果: ケイ酸エステルの加水分解及び重合過程を調節することにより、温度や湿度の変化に強い、 強固なゲルを作ることが可能となり、従来法の欠点であるゲルの破壊を防止できる。
発明の概要: ケイ酸エステルを酸と水とであらかじめ部分的に加水分解させた後、 さらに水を加えて完全な加水分解を得て重合させることにより割れのない強固なシリカゲルを得、 これを加熱処理することによってシリカガラスを収率よく製造できる。
図面:
Si(OCnH2n+1)4 で表される物質は、ケイ酸エステルと呼ばれる液体であるが、これは(1)式のように
加水分解をうけると共に、(2) 式のように重合してシリカゲルとなる。
シリカガラスは SiO2で表されるが、上式の最終段階までの反応を表すと次のようになる。
Si(OCnH2n+1)4 + 2H2O
→ SiO2 + 4CnH2n+1OH (3)
(1)及び(2)の反応がある程度進行すると、ケイ酸エステルは固まってシリカゲルとなる。
このシリカゲルを1200℃以下の温度で加熱処理することにより、(1)及び(2)式が完全に進行し、
シリカゲル中に生じた気孔も閉じて、シリカガラスとなる。