産総研北海道センター特許情報

発明の名称: 四塩化ケイ素の製造方法

特許番号第1771792号
出願番号特願昭62-191403
出願日昭和62年(1987)7月29日
発明者中田 善徳、 鈴木 正昭、 奥谷 猛
出願人工業技術院長
特許権者工業技術院長

発明の目的: 四塩化ケイ素を製造する従来技術の内、原料価格が安い、 ケイ石と炭素との混合物を塩素化させる方法において、そのプロセスの効率を上げることを 目的とする。

発明の効果: 従来法であるケイ素質原料に活性炭、コークス、木炭などの炭素質物質を 混合し、塩素化する方法と比較し、硫黄あるいは硫黄化合物を添加することにより、 四塩化ケイ素への転化率が高くなる。さらに、硫黄あるいは硫黄化合物とともに、 カリウム化合物を添加することにより、硫黄あるいは硫黄化合物のみの添加効果以上に 四塩化ケイ素への転化率が高くなり、四塩化ケイ素を経済的に製造することができる。

発明の概要: ケイ素集積バイオマスの炭化物もしくは燃焼残渣等のケイ素質原料を、 炭素物質及び硫黄あるいは硫黄化合物の共存下で塩素化することにより、あるいは、 ケイ素質原料を炭素物質、カリウム化合物及び硫黄あるいは硫黄化合物の共存下で 塩素化することにより、高収率で四塩化ケイ素を製造する。

図面:

第1表
番号 試料 試料の
混合時間
(分)
添加硫黄の
種類
添加硫黄の供給量
(Cl2供給量に対する
Sの重量%)
SiO2
転化率
1 もみがら灰+石油コークス 1 CS2 50 58.9
2 1 CS2 30 56.4
3 1 CS2 10 42.0
4 1 なし 0 31.5
5 10 CS2 10 59.1
6 10 S 10 57.8
7 もみがら炭化物 10 CS2 10 90.5
8 10 なし 0 81.0
9 天然ケイ砂+石油コークス 10 CS2 10 15.7
10 10 なし 0 6.8
11 もみがら灰+もみがら炭化物 10 CS2 10 93.1
12 10 なし 0 66.8

第2表
番号 試料 カリウム
化合物
SiO2
転化率
1 もみがら灰+石油コークス なし 59.1
2 KHSO4 93.3
3 KCl 95.1
4 K2CO3 88.0
5 KOH 91.9
6 KNO3 89.0
7 K2SO4 91.7
8 もみがら炭化物 なし 81.0
9 KHSO4 97.7
10 天然ケイ砂+石油コークス なし 15.7
11 KHSO4 25.9

塩素化条件:900℃で30分