産総研北海道センター特許情報

発明の名称: 深絞り用焼結鉄圧延板材の製造方法

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特許番号第1020602号
出願番号特願昭46-14535号
出願日昭和46年(1971)3月16日
発明者鈴木 良和
出願人工業技術院長
特許権者工業技術院長

発明の目的: 本法は粉末鉄から深絞り加工性に優れた鉄の板材を得ることを目的として、 直接圧延又は焼結してから圧延・焼鈍の繰り返しで鉄板を製造する方法を提供する。

発明の効果: 鉄粉未の圧延板又は圧粉体の焼結後、圧延と焼鈍の繰り返しで溶解した鉄とほぼ同程度の密度を 有する板材になり、脱炭処理や微量元素の添加をしなくても簡単な操作で深絞り加工性に優れた板材を得ることが出来る。

発明の概要: 市販の鉄粉未を原料とし、直接圧延又は圧縮成形により圧粉体として、水素中800℃〜890℃で 2〜10時間焼結した後、冷延率40%〜60%の一次圧延を行う。これを真空中又は不活性雰囲気中600℃〜800℃で 20〜100分間焼鈍した後冷延率85%〜90%の二次圧延と焼鈍を繰り返すことで得られる深絞り加工性良好な 焼結鉄板材の製造方法。

実施例:

第1表
圧縮成形 焼結条件
圧力厚さ長さ 温度時間雰囲気
3.3t/cm27.7mm5.8mm96mm 850℃4時間水素中

上記焼結鉄の圧延、焼鈍工程を第2表に示す条件でくり返し、厚さ約0.3m/mの板材に仕上げた。

第2表
一次圧延 中間焼鈍 雰囲気 二次圧延 焼鈍 雰囲気
冷延率厚さ 温度時間 真空中 冷延率厚さ 温度時間 真空中
50%3.8mm 700℃100分 10-5toor 85%
90%
0.3mm 700℃
850℃
100分
60分
10-5toor



関連文献:
 1)冷延後焼鈍した高密度焼結鉄板の成形性とその集合組織について, 鈴木良和:粉体及び粉末冶金,  20(8), p255(1974)
 2) 高密度焼結鉄板の機械的性質とその破面の直接観察, 鈴木良和;粉体及び粉末冶金,   23(3), p96(1976)