産総研北海道センター特許情報

発明の名称:ルテニウム坦持金属酸化物触媒による選択的核水素化反応

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特許番号第2884050号
出願番号特願平7-290599号
出願日平成7年(1995)10月13日
発明者小谷川 毅、 山本 光義
出願人工業技術院長
特許権者工業技術院長

発明の目的: 石炭液化油等の多環芳香族化合物の選択的核水素化方法を提供することを目的とする。また、本発明は、ルテニウム坦持金属酸化物触媒を用いて石炭液化油等の多環芳香族化合物を高選択率で核水素化する方法を提供することを目的とする。

発明の効果: 本発明は、ルテニウム坦持金属酸化物触媒を用いて高選択率で核水素化反応させることを特徴とする石炭液化油等の多環芳香族化合物の選択的核水素化に係るものであり、本発明によれば、次のような効果が得られる。
 (1) 石炭液化油等の多環芳香族化合物の選択的核水素化反応を高選択率で行うことが出来る。
 (2) ルテニウム坦持金属酸化物触媒を用いることにより、100%に近い高い選択率で核水素化することが出来る。
 (3) 高選択的核水素化活性を有するルテニウム坦持金属酸化物触媒を提供することが出来る。

発明の概要: ルテニウム坦持金属酸化物触媒を用いて石炭液化油などの多環芳香族化合物の選択的核水素反応を高選択率で行うことが出来る。すなわち、触媒としてルテニウムが坦持された酸化マンガン-酸化亜鉛、酸化亜鉛-酸化ランタン、酸化マンガン-酸化ランタン及び酸化マンガン-酸化ニッケルを触媒に用いて芳香族化合物の水素化反応を行うことにより100%に近い高い選択率で核水素化化合物を得ることが出来る。

実施例: 酸化マンガン/酸化亜鉛担体にルテニウムを約1%坦持した触媒を用いてナフタリンの水素化を水素加圧下、430℃までの温度で、結果が示すとおりルテニウムの顕著な核水素化活性が確認された。

Mn2O3 / ZnO
(mol / mol)
反応率
(mol%)
選択率(%)
テトラリン
デカリン
シクロヘキサン
0.04 / 0.96
98.1
74.2
25.1
-
0.10 / 0.90
98.8
59.4
39.7
0.2
0.31 / 0.69
98.7
64.4
34.8
0.2
0.62 / 0.38
97.1
62.7
36.4
0.2
0.65 / 0.35
99.2
70.4
28.8
0.4
0.84 / 0.16
98.3
82.1
17.2
-
0.31 / 0.69*
6.9
88.0
-
-
HDS-3**
93.8
65.8
29.9
-

*  ルテニウムを坦持しなかったときの結果。
**  高沸点生成物の選択率は4%であった。