産総研北海道センター特許情報

発明の名称:含浸型鉄触媒による石炭の液化方法

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特許番号第2855182号
出願番号特願平6-227295号
出願日平成6年(1994)8月29日
発明者小谷川 毅、 山本 光義、 吉田 忠、 佐々木 正秀
出願人工業技術院長
特許権者工業技術院長

発明の目的: 本発明は、石炭自身に直接硫酸第2鉄を含浸させ、これを水溶液中で尿素分解によるアンモニアによって中和させ微粉型の硫酸型鉄触媒を生成させて石炭上に坦持させた坦持系鉄触媒による石炭液化反応を使用して石炭液化の効率化を図ることを目的とする。

発明の効果: 一般に、石炭液化反応に用いられる触媒は反応温度がかなり高いため、添加する触媒量がかなり多いのが大きな欠点であり、この欠点を解決するには触媒の高活性化と触媒添加量の低減が必要である。本発明は、これらの従来法の欠点を解決するものであり、本発明によれば、この欠点の解決によって反応生成物価格を低下させ液化プロセスの実用化に結びつけることが出来る。従って、本発明の触媒坦持法による石炭の液化方法を用いるならば、反応後その処置に困る硫黄を添加することなく、触媒量を低減出来、加えて、石炭自信の活性化も進行させているため、より効率的な液化反応を実現させることが出来る。

発明の概要: 尿素分解法を用いて坦持させた坦持鉄系触媒による石炭の液化方法で、石炭上に硫酸型鉄を坦持することができる。すなわち、本方法を用いることにより石炭上に硫酸型鉄触媒を高分散させることができ、より効率的な石炭の液化方法を実現できる。

実施例: 従来法である混合法と坦持法である本発明法の触媒活性の比較を例として示す。

触媒量
(wt%)
石炭転化率(wt%)
混合法
坦持法
0
82.0
76.4
5.9
84.2
92.1
13.2
85.0
96.2
坦持法では触媒坦持量の増加とともに転化率は上昇し、90%以上を容易に超えた。