産総研北海道センター特許情報

発明の名称:瀝青質系原料の改質法

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特許番号第1137914号
出願番号特願昭57-26713号
出願日昭和53 (1978)年 10月5日
発明者森田 幹雄、 広沢 邦男、 佐藤 俊夫
出願人工業技術院長
特許権者工業技術院長

発明の目的:
 コールタールピッチ、石炭分解抽出物、石炭等の瀝青物質を水素化分解して効率よく低沸点の炭化水素類に改質する方法に関する。

発明の効果:
 従来の2元系触媒を用いた水素化分解法よりはガソリンなどの低沸点成分への変換効率が高く.反応条件を軽減できる。

発明の概要:
 シリカ、アルミナ、シリカ/アルミナ等の固体酸に塩化亜鉛を担持させた触媒を使用して、コールタール、アスファルト、石炭などの 瀝性質原料を反応温度250〜500℃、反応水素圧50〜300Kg/cm2で水素化分解して、軽質な炭化水素類に改質する方法に関する。

実施例:
 シリカ/アルミナ3gに塩化亜鉛1.2gを担持させた触媒を調整して、この触媒2gに対して石炭分解抽出物7gの割合で混合して1L回転式 オートクレーブに入れ反応温度400℃、反応時間60分、反応水素圧190Kg/cm2の条件下で水素化分解した。
 石炭分解抽出物の95%以上がガス及び液状物へ転化し、液状物の80%以上が300℃までに留出する軽質油であり、効率的に改質されることが確認される。

担体アルミナシリカシリカ/アルミナ
反応水素(H2g/g-sam)0.0590.0660.058
ガス生成量(wt%)13.613.913.5
液生成量(wt%)81.981.584.3
未反応固体残渣(wt%)4.54.62.2
液生成物留分割合(wt%) 
200〜300℃38.036.536.0
300〜400℃10.84.54.4
400℃以上11.710.510.1

関連文献:

  1. 北海道炭分解抽出物の水素化分解、森田、広沢、燃料協会誌、 54 (580), p677 (1975)

  2. 担持溶融塩化亜鉛触媒(第1報) 水素化分解触媒活性の比較、 森田、広沢、大内、石油学会誌、 13 (1), p52 (1980)

  3. 担持溶融塩化亜鉛触媒(第2報) 森田、広沢、佐藤、大内、石油学会誌、 1 (1), p59 (1980)